見る、聞く、嗅ぐ、触れる、味わう。
まわりの情報はすべて五感で感じとっています。
これらが過敏だと、生活がままならないこともあります。
日常でできる対処法を知り、少しでも生きやすくしましょう。
①視覚過敏の対処法
視覚過敏があると、白い紙に書かれた文字をまぶしくて見られなかったり、夏でもないのに太陽の光が苦しかったりします。
そんな視覚過敏には、どのような対処法があるでしょうか。
帽子やサングラスをつかう
帽子は深いものや、つばが長いものに。できるだけ視界を狭めるものをおすすめします。
サングラスやメガネをして、苦手な発色を抑える工夫も効果的です。
太陽の光を避ける昼用サングラス、ライトや蛍光灯など白い光を避ける夜用メガネを用意するとよいでしょう。
オレンジの蛍光灯に変える
白い蛍光灯を見ると、目がチカチカすることがあります。
そのときは、オレンジ色の蛍光灯に変えると、目への刺激が抑えられます。
仕切りをつかう
学校や職場では、まわりの光が目に入って、勉強や仕事がうまくいきません。
パーティションで仕切ったり、壁側の席に移動させてもらったりしましょう。
目を閉じて、目を休める
感覚過敏は、疲れや体調によってひどくなる傾向があります。
目が疲れたと感じたときは、しばらく目を閉じましょう。
待ち時間であったり、通勤中など目を閉じていいときは閉じておきます。
疲れが軽減することで、目の刺激も改善されるかもしれません。
②聴覚過敏の対処法
音にたいして、つんざくように聞こえたり、少しの物音で過剰に反応してしまいます。
特定の音が苦手で、その音を聞くとめまいや頭痛をともなうことも。
すべての音がダメだという人もいますが、多くは、好きな音、大丈夫な音があります。
聴覚過敏がとてもつらいのは、完全に音を消すことができないことです。
そんな聴覚過敏はどのように対処したらよいかを見ていきましょう。
耳栓・イヤーマフをつける
アイテムで音を軽減しましょう。
最近では、聴覚過敏用のマークを貼ることができるので、まわりへの理解も呼びかけられて安心です。
好きな音を携帯する
外では、人ごみがあったり、スピーカーでいろいろな音が流れていたり、あらゆる音であふれています。
すると、疲れきったり、パニックを起こしてしまう可能性があります。
キライな音をごまかすように、好きな音をiPodや携帯にいれて持ち歩くとよいでしょう。
まわりに協力してもらう
たとえば、普通ぐらいの声だと思って、まわりの人が話しかけても、聴覚過敏のかたには強く感じます。
感覚の問題は理解しづらく、本人だけでは調整しにくいもの。
自分が聴覚過敏であることを説明して、どのぐらいの声量で話しかけてもらいたいかを伝えることが必要です。
③嗅覚過敏の対処法
嗅覚過敏だと、ニオイがきつく感じ、体調にも影響します。まわりが良い匂いだと思っても、嗅覚過敏のかたには苦痛なときがあります。
たとえば、香水や化粧品を苦手とする人が多いです。
嗅覚過敏には、どのように対処したらよいでしょうか。
好きな香りを持ち歩く
臭覚過敏のかたは、好きな香りは、とっても好きで、とことん執着します。
そのため、マスクに自分の好きな香りをつけたり、好きな香りをつけたタオルを首にまくと、まわりの嫌なニオイを気にせずいられます。
臭覚過敏のかたにとったアンケートでは、求める支援に「好きな香りを持ち歩かせてほしい」という声がダントツだというデータもありました。
口呼吸をする
どうしても耐えがたいニオイに遭遇したときは、口呼吸で対処するしかないでしょう。
そして、口呼吸をしばらく静かにしながら、その場を離れるようにしましょう。
④触覚過敏の対処法
服の縫い目やタグにたいしてヒリヒリと感じたり、急にさわられることが苦手な人がいます。
素材や感触が第一で、同じ服を何日も着ているという人も。
また、小さなお子さんはお母さんに抱きしめられると、「圧覚過敏」といって、強い力でもないのに窮屈に感じたり、圧迫されているように感じ、ハグを嫌がることがあります。
周囲の配慮が必要になってくる触覚過敏は、どのように対処をするべきでしょうか。
無理にさわらない
体に少し触れただけで痛く感じたり、不快に思う人がいます。
まわりがさわるときは、さわっても大丈夫か声をかけましょう。
友達や周囲にも、感覚過敏であることを説明して、無理にさわらないよう、お願いしておくことが必須です。
お気に入りの服を数枚用意する
触覚過敏だと、素材にものすごいこだわりがあって、同じ服を気にせず何日も着ることがあります。
その対処として、素材や触感が気に入った服は、同じものを2.3着ほど用意し、洗い替えをしましょう。
タグや縫い目を気にする
タグは切っても、切った先に反応して、嫌がることがあります。
タグは縫い目から取り外すようにしましょう。
縫い目があらい服は、痛かったり、不快感があります。
服を買うときは、タグや縫い目も気にすることを忘れないように。
⑤味覚過敏の対処法
味覚過敏があると、まわりがおいしいと思う料理でも、苦手に感じます。
味だけではなく、舌触りが受け付けられないこともあります。
ひとつのものを好み、偏食になる人が多いです。
そんな味覚過敏への対処法を見ていきましょう。
無理に食べさせない
偏食になるからといって、無理に食べさせると、食事すら苦痛になります。
まさに「鉛のような飯」になりかねません。
なにも食べないよりは、ひとつのものでも食べたほうが健康に良いです。
無理に食べさせるのではなく、ある程度は許容したり、料理のし方を工夫しましょう。
お弁当をもっていく
幼稚園や学校では、いろいろな料理がまざった給食を食べられない子が多いです。
そのときは、幼稚園や小学校にたいしてお弁当を持参してよいか、確認をとりましょう。
まとめ
視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の過敏についてお話しました。
どれも私たちが生きるうえで、とても重要な役割をもつ機関です。
これらの感覚が過敏だと、生きているうえ、毎日、強い刺激に悩まされます。
「嫌なことがなかった」という日がありません。
本人の努力も必要ですが、この苦しみを理解し、まわりも配慮をしましょう。