日常生活は音であふれています。

聴覚過敏があると、人の足音や話し声が気になったり、車の音、物が擦れる音などで、まともに生活できません。

そんな聴覚過敏の症状を緩和してくれるのが「イヤーマフ」。

イヤーマフには種類があり、長時間つけるので装着感も大事です。

最適なイヤーマフの選び方やおすすめ商品をご紹介するので、ぜひご参考ください。

イヤーマフの種類

多くの人がヘッドホンのかたちをイメージされるでしょう。

実は構造がちがっていて、聴覚過敏の症状ごとに合わせられるようになっています。

パッシブタイプアクティブタイプの2つがあります。

パッシブタイプ

パッシブは「受け身」という意味。

イヤーカップ(耳を覆う部分)のなかに吸音材がはいっていて、ヘッドホンのように頭をはさみ、両耳に押し付ける構造です。

簡単な構造のため、軽量だという特徴があります。

完全にまわりの音を無音にするのではなく、着けた人が聞こえやすい音量まで下げるのを目的にしています。

「すべての音が過敏に聞こえる」という症状の方はパッシブタイプですね。

アクティブタイプ

アクティブタイプはイヤーカップのなかに、ノイズキャンセラーがついており、特定の周波数を遮断します。

パッシブタイプよりも遮音性能が高いです。

「ある音を聞くと耳が痛い」「パニックになる」という方はアクティブタイプを選びましょう。

ただ機械が付いている状態なので、なかにはパッシブタイプの2倍の重さのものがあります。

またデリケートなので、持ち運びにも注意が必要です。

最適なイヤーマフの選び方

自分が求めるぐらい遮音性がないと意味がありませんし、重すぎると首や肩が疲れてしまいます。

イヤーマフの性能の見方や、イヤーマフを選ぶときに大切なポイントをお知らせします。

装着感・サイズ

イヤーマフをつけながら生活するので、ぴったりフィットするサイズを選びましょう。

お店で試着をしてみることが一番ですが、試着サービスはあまりないかもしれません。

レンタルできるお店もあるので、そちらを利用してみるとよいでしょう。

装着感も大事です。

ゴムが擦れたり、金属部分が痛いと感じると長くつけられません。

発達障害をもったお子さんは聴覚以外の感覚も過敏な子がいるので、クッション材が多く入っているものをおすすめします。

重さ

イヤーマフの重さは120g~400gほどです。

重いほど、構造がしっかりしており、遮音性が高くなっています。

けれど、あまりに重いと、首や肩を痛める原因になりかねません。

ほぼ一日中身につける人もいますし、勉強・仕事でも机に向かうとき、より首や肩に負担をかけます。

つけ心地を大事にする人やお子さんは軽量タイプを選びましょう。

遮音性の見方

■NRRとSNR

イヤーマフを見ていると、「NRR26db」「SNR30db」と表示されていますね。

NRRはアメリカの環境保護庁が規定している防音性能の基準で、SNRはEUが定めている防音性能の基準です。

NRRは2標準偏差で算出、SRRは1標準偏差で算出されるので、同じぐらいの防音性能でも、SNRの数値のほうがNRRよりも大きくなってしまいます。

「NRR26db」と「SNR30db」は同じぐらいということです。

■db(デシベル)

防音性能は、dbの数値が高いほど優れています。

たとえば、30dbのイヤーマフを90dbの騒音がするなかで使うと、90-30=60db。

まわりの音が60dbほどに聞こえるようになります。30dbの音は完全に遮断してくれます。

■dbの目安

120db:飛行機の離陸音

110db:自動車のクラクション

100db:電車が通るときのガード下

90db:騒々しい工場内

80db:地下鉄の車内(電話が聞こえないレベル)

70db:電話の呼び鈴、交通量の多い道路

60db:普通の会話、ラジオの音

50db:静かな事務所、室外機の音

40db:静かな住宅地の昼、図書館

30db:郊外の深夜、非常に静か

20db:ささやき声、木の葉のそよぎ

聴覚過敏のマークはどこで手に入る?

聴覚過敏の理解をすすめるために、株式会社石井マークが作成した「聴覚過敏用シール」があります。

以下からデザインをダウンロードできます。

両面テープなどでイヤーマフに貼り付けましょう。

「聴覚過敏保護用シンボルマーク」 無償公開データ

まわりに聴覚過敏を知られたくないという方は耳栓もおすすめです。

寝返りも打ちやすいですし、首や肩に負担をかけません。

耳栓には最高「NNR33db」のものもあるので、Webサイトを調べてみてください。

おすすめのイヤーマフ3選

①PELTOR イヤーマフ ヘッドバンド式

https://item.rakuten.co.jp/trans-style/pt003/

Amazonでも楽天市場でも☆4以上の評価を受けているイヤーマフです。

子ども用と大人用があります。

21dbの音を遮断します。

非常に軽く、薄いので、小さなお子さんから女性にまで人気です。

②YorkShin(ヨークシン) イヤーマフ 子供用

https://item.rakuten.co.jp/yorkshin/earmuffs_kidz/

2歳~10歳の子どもに特化したイヤーマフ。

お子さんが1人でも取り外しが簡単にできるようになっています。

とても軽く小さく、締めつけすぎない装着感です。

③3M PELTOR ProTac III 騒音制御型イヤーマフ MT13H220A

音量制御機能がついており、聞こえる音をコントロールします。

単三電池2本で動きます。

価格は高めで重みもありますが、スポーツとして射撃をしている方も使用しており、防音性能はとても優れています。

まとめ

イヤーマフを選ぶときは、装着感、遮音性どちらも重視しましょう。

ほとんどはパッシブタイプが販売されていますが、クッションの層を厚くしたり、何枚も吸音材を重ねたりと工夫されています。

インターネットサイトだけでなく、家電量販店やレンタル店もあるので、まず試着することをおすすめします。