障害児の支援の調査につかわれる「5領域11項目」。
放課後等デイサービスを利用しようと受給者証を申請するとき、はじめて見る人が多いでしょう。
この記事では、 「5項目11領域」とはなにか、子どもに正しい支援をするために必要なことを解説します。
5領域11項目とは?
放課後等デイサービスや、障害に関する支援を受けるとき、障害の種類・程度を知るために実施される調査のことです。
この調査結果によって、障害福祉サービスの支給を受けられる日数や期間などが決まります。
また相談支援専門員が支援計画を決めるときにも参考にされます。
5領域の内容
5領域11項目の、5領域は障害者の生活の困りごとがどこで発生しているのかを知るときに役立ちます。
つぎのように、大きく5つに分けられています。
①食事
②排せつ
③入浴
④移動
⑤行動障害および精神症状
11項目の内容
以上の5領域から、さらに細かく分けて調査される項目が11こあります。
11項目は支援内容の判断基準につかわれます。
食事・睡眠・入浴・排せつの4つの項目と、行動障害および精神症状にかかわる7つの項目をあわせて、11項目です。
食事・排せつ・入浴・移動の4つでは、それぞれ介助がどれぐらい必要なのかを記入します。
食事であれば、すべて人が食べさせないと食べられないのか、流動食でないと食べられないのか。
おかずを刻むなど調理を工夫すれば自分で食べられるのか。
または手助けがなくても問題なく食べられるのか。
⑤行動障害および精神症状は、細かく7つの項目に分けられています。
(1)強いこだわり、多動、パニックなどの不安定な行動や、危険意識が欠けている行動
(2)睡眠障害や食事・排せつに関する不適応な行動(暴飲暴食なども)
(3)自分を叩いたり傷つけたり、他人を攻撃したり、物を壊したりする行動
(4)気分が不安定で悲観的になったり、思考力が低下したりする
(5)手洗いを何度もしたり、何度も確認をしたりして、日常生活に時間がかかる
(6)他人と交流することに不安や緊張を感じる。感覚過敏があるため、外出や集団行動ができない。部屋にひきこもっている
(7)学習障害があり、読み書きがむずかしい
以上7項目のうち、当てはまることがある場合、どんな行動があるのか、頻度はどのぐらいなのか、くわしく項目に記入します。
自治体は、ほかの調査もありますが、5領域11項目も参考にして、放課後等デイサービスに利用料1割負担で通える日数や時間、期間を決めます。
相談支援専門員も、この5領域11項目を見て支援計画を考えるので、子どものためになる、とても大切な調査です。
5領域11項目は正しく記入しよう
この5領域11項目調査は、支援員が聞き取って記入される場合と、保護者が調査項目にしたがって記入する場合があります。
障害の程度によって支援日数が決まるからといって、大げさに答えたり、記入したりするのは控えましょう。
障害の種類や程度が正しくわからないと、適切な支援ができなくなります。
障害福祉サービスに通う日数が多いほど、子どもの困りごとが改善されるわけではありません。
子どもにあった適切な支援をすることで、子どもの困りごとが改善されます。
子どものために、正しく記入するようにしましょう。
毎日の生活を記録しよう
行動障害や精神症状は不安定なように見えて、なにかしら原因があることも。
たとえば、ある場所に行ったらかんしゃくが出た、○時になったら問題行動が出た。
いつ、どんなときに問題行動が出たのかを知ることはとても大切であり、支援内容に大きく関わるところです。
毎日の生活や、問題行動が出たときを記録し、調査に正しく答えるようにしましょう。
まとめ
「5領域11項目」は、障害の種類や程度を知り、子どもに本当に必要な支援を見定める、大事な調査です。
自治体や相談員は5項目11領域調査も含めて参考にし、支援内容や期間を決めます。
5領域11項目調査に正しく答えられるよう、子どもの様子を観察したり、問題行動などの記録をとったりしましょう。