放課後等デイサービスでは預かり時間が短かったり、利用回数が決められていたりしているので、「放課後等デイサービスだけでは足りない」こともありますね。
同じく放課後や休日に子どもを預かってくれるサービスに、「学童保育」があります。
放課後等デイサービスと学童保育とのちがいや、併用のメリット、注意点を見ていきましょう。
学童保育とは?
学童保育の施設は「学童クラブ」「放課後子ども教室」「民間学童」の3つに分けられます。
対象としている子どもや料金、時間、内容がそれぞれ異なります。
①学童クラブ
学童クラブの対象は、公立小学校に通う小学3年生までのお子さん。保護者が就労していることが必須条件です。
平日は学校終わりから18時まで、土曜日は9時から17時までのところが多くあります。
料金はおやつ代など込みで、月4000円から。活動内容に決まりはなく、子どもは自由に遊びます。
②放課後こども教室
放課後子ども教室の対象は、公立小学校に通うお子さん。
平日は17時まで、土日は運営されていないところがほとんどです。
無料で利用できるところが多く、活動内容は自由。
子どもの遊び場となっています。
③民間学童
民間学童にはあまり制限や条件がありません。
小学生だけでなく、幼稚園や保育園に通う子どもも利用できるところが多くあります。
保護者が働いていなくても利用できます。
時間は平日20時から23時など、遅い時間に対応しているところや、お泊りができる施設もあります。
活動内容は、子どもが自由に遊ぶだけでなく、学習時間を設けたり、お迎えが遅いときは夕食を食べたりすることができます。
サービスが充実しているぶん、利用料金は高め。
入会金だけで数万円するところも。
学童保育と放課後等デイサービスのちがいとは?
放課後等デイサービスは、同じく学校終わりや休日に子どもを預かってくれる場所です。
大きくちがうのは、放課後等デイサービスが「児童福祉法」という法律にもとづいた運営をしていることです。
そのため学童保育とは、対象や運営時間、料金、活動内容がちがいます。
対象のちがい
学童保育の対象は基本的に、公立小学校に通うお子さんであり、おもに健常な子どもを対象としています。
放課後等デイサービスは小学1年生から高校3年生までの、障害がある子どもが対象です。
保護者が働いていなくても利用できます。
内容・目的のちがい
学童保育は子どもを預かることが一番の目的のため、活動内容は遊んだり、宿題をしたり、自由時間が多いところばかりです。
放課後等デイサービスは、子どもの療育が最も重視されているので、子どもそれぞれに発達支援の専門が「個別支援計画」を立て、計画にもとづいたプログラムをおこないます。
たとえばソーシャルスキルトレーニングや集団遊びをして社会性を育てるなど、子どもにある問題の解消を目指します。
料金・時間のちがい
学童クラブは無料のところから有料で利用するところも。基本は18時ごろまで運営していますが、早朝や深夜にも対応している施設があります。
サービスの充実度によって料金が高めに。また障害者が利用しても、減免の対象にはならないので、利用料をすべて実費で払わないといけません。
放課後等デイサービスは受給証をもったお子さんが利用する場合、利用料は1割負担です。
運営時間はほとんどの施設が平日は18時ごろまで、休日は朝10時から16時まで。早朝や深夜は対応していません。
学童保育と放課後等デイサービスは併用できる?併用のメリットは?
学童保育と放課後等デイサービスの併用はできます。
けれど、学童保育も放課後等デイサービスも同じ自治体が運営する公立の施設であったとき、「併用を認めない」とする自治体もあるので、念のため確認をしておいたほうが良いでしょう。
また併用する場合、学童保育、放課後等デイサービス、それぞれ申請の手続きがちがうので、お住まいの自治体に確認をしておきましょう。
生活スタイルにあわせて支援してもらえる
学童保育と放課後等デイサービスを併用するメリットは、遅くまで働いている保護者など、いろいろな生活スタイルに合わせて、子育てを支援してもらえることです。
お子さんも一人で留守番させるより、施設にいるほうが安全。保護者も安心して、仕事や家事などに集中できます。
社会経験が豊かになる
放課後等デイサービスの利用定員は10人。
学童保育の定員は40~70人。
なので、2つの施設を併用すると、小さな集団だけではなく、大きな集団のなかで過ごすことや、たくさんの人と関係を築くことを学べます。
学童保育と放課後等デイサービスを併用するときの注意点は?
学童保育と放課後等デイサービスの対象や目的がちがっていることから、注意点も出てきます。
学童保育を受けられない場合がある
学童保育は健常の子どもを含め、たくさんの子どもが利用します。
そのため学童保育では、集団行動ができない子どもや、ルールを守れない子どもは利用できない、とする施設があります。
学童保育の利用条件を確認しておきましょう。
子ども同士がうまく付き合えない場合がある
学童保育の利用者は、ほとんどが健常の子どもで、障害をもつ子どもは少数派。健常の子どもには障害が理解できない場合があります。
障害をからかったり、仲間外れにされたりすることも。
障害をもつお子さんが大きな集団になじめるかどうかをよく考えたり、学童保育に通う子どもたちの雰囲気を事前に見ておいたりする必要があるでしょう。
まとめ
学童保育と放課後等デイサービスの併用はできます。
併用することで、子どもは一人で留守番をすることがなくなり、安全な場所で過ごせます。
保護者も安心して仕事や家事に集中できますね。
また学童保育にいる、たくさんの子どもたちと過ごすことで、社会経験をふやせる効果も。
けれど、施設によっては断られたり、子どもが集団になじめなかったりするおそれがあるのでご注意ください。
学童保育を利用する前に見学をして子どもたちの雰囲気を見たり、お子さんがなじめるかどうかを考えてみましょう。