障害をもつ子どもに適した支援をしたいのに、相談員と意見が分かれてしまったり、希望している支援を受けられなかったりする場合があります。

もし子どもに受けてはしい支援が具体的に決まっているなら、「セルフプラン」を検討してみましょう。

放課後等デイサービスの支援内容は種類が豊富なので、ご自身で設定したプラン通りの施設が見つかるかもしれません。

このセルフプランとはなにか、申請方法や、メリット・デメリットを解説します。

放課後等デイサービスのセルフプランとは?

放課後等デイサービスを利用する際、市区町村に「受給者証」を発行してもらう必要があります。

この受給者証の申請をするときに、「サービス等利用計画案」の提出を求められます。

サービス等利用計画案とは、障害をもつ子どもの支援の計画案。

障害をもつ子どもへの支援方針や、解決するべき課題などを見て、最も適切なサービスの組み合わせを検討し、計画案をつくります。

多くは市区町村の「指定特定相談支援事業者」に依頼し、担当者と一緒にサービス等利用計画案を作成することとなります。

けれど指定特定相談支援事業者に依頼しなくてはいけないという決まりはなく、保護者や家族だけで「サービス等利用計画案」をつくることもできます。

このようにセルフで計画案をつくることを「セルフプラン」といいます。

受給者証の申請・更新・変更につかう

セルフプランを作成するのは、受給者証の申請、更新や変更があったときです。
受給者証の更新は1年ごとです。

毎年、お子さんの様子を確認するなどしてセルフプランを作成しなくてはいけません。

また支援方針が合っていないとわかったときには、もう一度セルフプランを見直して、自身で作成する必要がありますね。

市区町村で様式が決まっている場合がある

サービス等利用計画案の様式は自治体でフォーマットが指定されていることがあります。

市役所で用紙をもらうか、ホームページで用紙をダウンロードできるところもあります。

用紙には、子どもがどのように過ごしてほしいかという希望や、長期目標・短期目標、解決するべき課題、週間計画書などを記入します。

お住まいの自治体のホームページをチェックしましょう。

セルフプランで放課後等デイサービスを利用するメリット

指定特定相談支援事業者に依頼するときと、セルフプランをしてサービスの利用を申請するときでは、どのようなちがいがあるでしょうか。

あわせてセルフプランで放課後等デイサービスを利用するときのメリット・デメリットを解説します。

自分の希望をプランに反映することができる

相談員に限らず、事業所や他の第三者とやりとりをするなかで、当初の希望とちがっていることや、いくつか妥協しなくてはいけないことが発生する可能性がありますね。

セルフプランの場合、すべて自分や家族で記入するので、希望の伝え漏れや、希望と異なることが起こりにくくなります。

さらに行政とのやりとりも自分でおこなうので、希望が叶うように、じっくり交渉できるのもメリットです。

子どもの状態をよく把握できる

やはり、子どものことを一番身近で見て、理解できるのが他でもない親です。

子どもに必要な支援を自分で考え、計画を作成することで、子どもの状態をよく把握できるというメリットがあります。

セルフプランで放課後等デイサービスを利用するデメリット

セルフプランにしても、希望がすべて叶うとはいえません。

セルフプランのデメリットもしっかり確認して、セルフプランを検討しましょう。

担当者会議やモニタリングが実施されない

担当者会議とは、お子さんの支援方針や内容について、支援員とご家族で会議をすることです。

実際に子どもとふれあっている支援員や、経験が豊富の支援員たちが会議をすることで、より良い支援ができるというもの。

モニタリングは現状把握です。

支援方針にあった支援ができているかどうか、子どもに新しい課題が生じていないか、必要な支援とのズレがないかを確認する、大事な作業です。

セルフプランの場合、この担当者会議やモニタリングがなく、ご家族でお子さんの様子に気を配らないといけません。

サービス事業者を自分で見つけないといけない

希望に合う事業者を見つけるために、自身で情報収集をする必要があります。放課後等デイサービスはたくさんの種類の業者があるので、調べるのに多くの時間がかかるでしょう。

さらに良い事業所を見つけたら、日程の調整や時間数を自分で事業所とやりとりをして決めないといけません。

これら作業にどのぐらい時間や手間をかけられるかが、セルフプランを選ぶポイントにもなります。

まとめ

セルフプランとは、放課後等デイサービスに求める支援や支援計画を、相談員とに頼らず、ご家族で決めることです。

希望をすべてプランに反映できたり、行政とじっくり交渉できたりして、希望にあった支援に近づけるというメリットがあります。

しかしデメリットもあり、希望に合う放課後等デイサービスを見つけるのに多くの時間と手間がかかります。

どのぐらい作業に時間をかけられるか、よく考えてセルフプランを選びましょう。