お子さんが発達障害と診断されていたり、問題行動が目立ったりしていると、「保育士さんを困らせてしまうのではないか」「子どもにたいして十分な対応をしてもらえないのではないか」と不安になることもあるでしょう。

そんなとき、「加配保育士」さんがいれば、日中も安心して子どもを任せられるようになります。

この記事では、加配保育士とは何か、どのような仕事をする人なのか、加配保育士をつけてもらうにはどうしたらよいのかをご紹介します。

加配保育士とは?どんな仕事をするの?

加配保育士とは、障害のある子や、ほかの子よりも気を配ることが必要な子どもにたいして、特別にサポートをする保育士のことです。

加配保育士の配置基準や配置人数は各自治体で異なり、園児4人にたいして、1人の加配保育士がつくところもあれば、3人の園児に加配保育士1人、2人の園児に1人のところもあります。

障害の程度によっても、加配保育士の割合が変わってきます。

そんな加配保育士の仕事内容を具体的に見ていきましょう。

対象の子どもの行動をサポート

加配保育士は対象のお子さんへ、わかりやすく指示を伝えたり、イラストカードなどを用いて子どもに説明したりと、障害にあった対応をします。

そのほか、人を叩いたり、なんでも言ってしまったりする子や、コミュニケーションがとりにくい子にたいして、まわりの園児と対立しないように支援します。

子どもの支援カリキュラムをつくる

お子さんの障害をサポートするためや、発達をうながすために、加配保育士は対象のお子さんの支援カリキュラムをつくります。

多くは3か月に1回の頻度で作成し、月に1回見直しをして軌道修正などをします。

またカリキュラムの全てを保護者に見せて、確認をとっている保育所もあります。

保護者や支援機関の窓口になることも

お子さんの毎日の様子を保護者に伝えたり、ときに保護者の子育て相談に応じたりするのも、加配保育士の仕事です。

そのほか保育所によっては発達支援センターと連携しているところもあるので、お子さんの様子や変化を支援機関に報告することもあります。

加配保育士がお子さんにつくメリットは?

加配保育士をつけたほうがいいと相談されると、どうしても「障害がある」と言われた気持ちになり、受け入れられない親御さんも多いでしょう。

しかし、困った行動をするお子さんが必要な支援を受けられないとどうなるでしょうか。
加配保育士がお子さんにつくメリットを確認しましょう。

子どもに細かい対応ができる

お子さんの困った行動を気にしないで保育所に預ければ、なにかしらトラブルが起きる可能性が高くなるでしょう。

またお子さんに必要な支援をできなかった場合、問題行動がよりひどくなることもあるかもしれません。

加配保育士がついていれば、そのときに応じて必要な支援ができます。

保育士がほかの子を見ていて、支援が遅れる、または見てみぬフリをされてしまうといったことを防げます。

子どもに適切な支援ができる

子どもによっては正しい対応をしないと、より癇癪がひどくなったり、困った行動が増えたりするので、適切な支援はとても重要です。

加配保育士は障害児保育を学んだ保育士のなかでも、とくに障害に関する学習をしていた方が就くことがあるので、通常の保育士よりも適切な支援ができるでしょう。

子どもの保育園での様子を確認できる

お子さんの保育園での様子を確認したり、お子さんの問題行動への対処を聞いたりすることで、家でのお子さんへの対応を学ぶこともできます。

保育所に通い出すと、一日の多くを保育園で過ごしますよね。そのため保育園でのお子さんの様子は大事な情報となります。

癇癪を起こしたとき、どんな状況で起こり、どのようにして落ち着いたのか。問題行動にどんな対応をしたら改善したのか。

さらに自分では気づかなかったところを加配保育士が指摘することもあるでしょう。

加配保育士をつけてもらうには?

加配保育士の配置人数や基準は各自治体によってちがいます。お住まいの自治体のホームページなどを確認してみてください。

ここでは加配保育士をつけてもらうための基準や一例をお知らせします。

保育所または保護者が申請する

加配保育士をつけるには、保育所か保護者の申請が必要です。お子さんを担当する保育士の推薦であったり、保護者が自ら申請したりする場合があります。

また自治体では、加配保育士をつけるお子さんの基準を以下のように定めているところもあります。

・3才以上であること
・身体障害手帳や療育手帳があること
・医師の診断書があること
・障害の程度が軽度から中度であること
・集団生活が可能なこと

そして診断書など必要書類と、保育所からの書類、療育センターからの書類をあわせて自治体に提出し、書類が認められると、お子さんに加配保育士をつけられます。

まとめ

加配保育士がお子さんにつくと、不安があるお子さんにたいして細やかな対応ができたり、子育てに関する大事な情報を提供してもらったりと、メリットがたくさんあります。

加配保育士をつけると障害だと認められるのではないか、と悲しくなるかもしれません。しかし適切な対応ができるかどうかで、お子さんの発達に影響が出るおそれもあります。

「障害」という言葉にとらわれず、「お子さんに必要な支援をしたい」と考えて加配保育士を申請しましょう。