とてもマイペースな自閉症傾向のある子や、多動が目立って活発に遊んでいる子を見たりすると、伸び伸びとそのまま育てていけばいいのでは?と思うかもしれません。
また、あまりにもほめるところがなさすぎて、自己肯定感を高めるどころではないという方もいるでしょう。
この記事では、発達障害をもつ子ほど自己肯定感が必要な理由や、考え方、方法をご紹介します。
自己肯定感が大切な理由とは?
自己肯定感とは、「自分に価値がある」と思うことです。
自己肯定感は発達障害に限らず、誰でも必要ですよね。
では発達障害があるほど自己肯定感を強く意識しなければいけないのは、なぜでしょうか。
発達障害のある子は自信をなくす場面が多い
親がどれだけ優しく見守っていたとしても、学校など社会に出ると、どうしてもまわりとの差が生まれてしまいます。
またすべての人が障害に理解があるわけではないので、できないことをからかわれたり、イジメられたりするおそれがあります。
教師に理解がなければ、子どもの失敗を責めたり、問題行動を怒って無理やりどうにかすることもあるかもしれません。
発達障害のある子は社会で人とのちがいを知り、怒られることが多く、自己肯定感がほかの人よりも失われやすいです。
何をするにも自信が必要
新しく物事をおこなうときは、自信がエンジンであり、ガソリンでもあります。自信がないと何もする気が起きなくなり、努力も続きません。
ADHD特性のある子はもとから無気力感にとらわれやすいので、自己肯定感が低いと、さらに勉強や課題を投げ出すようになってしまいます。
物事を始められないと、何も能力が育たず、さらに自己肯定感が下がるという悪循環に。
自己肯定感は大人になっても続く
いったん悪循環にハマってしまうと、抜け出すことがむずかしくなります。
また長い人生のなかで、さまざまな経験をしても、子どもの頃に傷つけられたこと、自信がないと感じたことはトラウマのように残ります。
とくに発達障害の場合、イヤな記憶やつらいことを思い出しやすい傾向があり、事あるごとに思い出したり、「自分は○○な人間だ」と思い込み、足をひっぱるおそれがあります。
だからこそ、子どものときに自己肯定感を育てることが非常に大切となってきます。
自己肯定感を育てる方法は?
両親が「ほめること」というのはわかっているのではないでしょうか。
もちろん、「ほめること」は子どもの自己肯定感を育てるのにとっても強い方法です。
けれど、「ほめるところがない」「ほめても効果がないように感じる」と思ってできていない人が多いです。
そうした考え方を変え、子どもの自己肯定感を高める具体的な方法を見ていきましょう。
短所を長所に置き換えて考える
自閉症の子で困るのが
「こだわりが強く融通がきかない」
声をかけても返事せず、
「まわりの人や状況に関心がない」
「触覚がアンバランス」
などがありますよね。
これを長所に置き換えると、以下になります。
「こだわりが強く融通がきかない」⇒「こだわっていることに関しては、飽きずに取り組める」
「まわりの人や状況に関心がない」⇒「興味のあることには集中して取り組める」
「触覚がアンバランス」⇒「視覚的、聴覚的、芸術的なことに、ずば抜けた能力を発揮する可能性がある」
ADHDの子の困りごとでは、「集中力がなく、なんでも中途半端」「衝動的な言動をとる」など。
これらは、「アイデア豊かで発想力が優れている」、「頭の回転が速い」といったようにとらえることができますね。
マイナス面ばかりとらえず、プラス面を見出せるようになってくれば、「本当に手のかかる子」というお子さんの評価が変わるかもしれません。
また思い込みが消えることで、「もしかして、これはほめられるのではないか」という場面が見つかるでしょう。
許容できるところをつくる
怒ってばかりだけど、よく考えたら「これは別にそこまで問題じゃない行動かもしれない」と思うことはありませんか?
こだわり行動でも人に迷惑をかけていなければ、それほど問題ではないでしょう。
ADHDの子の集中力のなさや忘れっぽさをいちいち怒っていてもストレスになるうえ、お子さんの自己肯定感を下げるだけです。
つい厳しくなってしまう評価を緩めて、許せるところ、これだけは直さないといけないところを決めましょう。
家の簡単なお手伝いを頼む
家の中で自己肯定感を育てるには、家事のお手伝いはとても良い機会です。
ただ、なかにはお願いしても聞いてくれない子もいるでしょう。
そんなときはお菓子や、子どもが好きなことを一緒にやったりするなど、ごほうびを用意しましょう。
そしてお手伝いが完了したら、出来は悪くても、よくほめることが大切です。
夫婦の連携は欠かせない
自己肯定感を育てるためには、夫婦の連携も欠かせません。
お母さん一人の子育てでは、子どもの小さな自信を見つけ、能力を伸ばしていくことは大変です。
夫婦で協力し、同じ目標に向かって行動することが、子どものサポートの第一歩となります。
お子さんの言動などで気になることがあれば、具体的に報告をしあい、夫婦で情報を共有しましょう。さらにお子さんへのサポートの役割分担をしっかり決めます。
また日ごろ接する時間が長いお母さんの言うことは聞かないのに、お父さんがかける言葉は素直に聞く子もいます。
お母さんとはまたちがったほめ方で、「ここぞ」というときにお父さんが子どもをほめると、大きな自信になる可能性が高いでしょう。
まとめ
発達障害がある子どもは生活や社会の中で差を感じやすく、怒られることも多く、自己肯定感をなくしやすいです。
一度、なくしてしまうと大人まで続いてしまいます。
家族で連携して、お子さんの人生がより良くなるようにサポートしましょう。
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