身だしなみは、現在、ビジネスマナーと捉えられている側面が強く、これが出来ていないと、仕事で本来の能力を発揮しづらい状況だと言えますね。

日本では、外見至上主義とも言える状況でもあり、外見によって所得格差まであると一部の識者から指摘されています。

本来であれば、生活上支障がなければ、極力当人の自由であるべきだと言えますが、まだまだ同調圧力の高い日本では、そのような自由は認められにくいと言えますね。

そのため、最低限の身だしなみを身に付けておくことは、生活の質を上げることにも直結すると言えますね。

今回は、発達障害や知的障害の影響で、現在、身だしなみに気を配れない状態のお子さんが、そのままの状態で大人になってしまった場合のデメリットや、どうそれを改善していけば良いのかについて、ご紹介させていただきます。

身だしなみに気を配れない理由とは?

まず、身だしなみに気を配れない理由とは、何のかについてみてみましょう。

発達障害の方や知的障害の方は、特に他人への関心が薄いため、身だしなみに気を配れないケースが考えられます。

他人へ関心があまりない為に、他人からどうみられているかという意識も低く、そのため身だしなみへの理解が、難しいという側面があるかもしれません。

また、他人に関心がないので、他人の身だしなみを参考にすることも難しくなっていると言えます。

また、独自のクセやこだわりのために、身だしなみに気を配れない可能性もあり、個人個人で、身だしなみに気を配れない理由は、違ってくると言えそうです。

これらを抑えた上で、まずは、気を配れない場合のデメリットをみてみましょう。

身だしなみに気を配れない場合のデメリットとは?

まず、身だしなみに気を配れない状態で、そのまま大人になってしまった場合のデメリットについて、みてみましょう。

ビジネスマナーが出来ていないと判断されがち

先述のように、身だしなみが出来ていないと、ビジネスマナーが出来ていないと判断され、信頼されにくくなってしまいます。例えば、同じ仕事をしていたとしても、靴が汚かったり、スーツがクリーニングにかかっておらずヨレヨレだったり、髪がぼさぼさだったりする人の場合、相手に良い印象を与えることが出来ず、結果、信頼されにくくなってしまいます。

身だしなみは、日常生活がキチンと過ごせているかの目安にもなっている

身だしなみを整えているかどうかは、日常生活をキチンと過ごせているかどうかの目安にもなっています。例えば、会社員を想定した場合、毎日決まった時間に出社し、決められた時間まで就業する必要があります。そのため、日常生活では、同じサイクルを過ごすことが基本となっており、身だしなみも同じサイクルでキチンと整える習慣が身に付いているかどうかが重要となっています。この際、日によって身だしなみに大きな違いがあると、日常生活をキチンと過ごせていないとみなされがちなので、結果として、こちらも職場の人に、信頼されにくくなってしまうという特徴があります。

身だしなみは大人になるほど改善しづらい

また身だしなみがキチンとできていないと、友達も作りづらくなってしまいます。

特に、青年期は、露骨に違いなどを指摘したりする子供が多いですが、身だしなみで、こういう指摘や批判を受けると、子供ながらに傷付きますし、友達も作りにくくなってしまいます。

また、大人になってからの場合、逆に相手も注意することが出来ないことが多く、より身だしなみを改善する機会が狭まってしまいます。

そのため、身だしなみは幼少の頃から、改善させることが重要であると言え、大人になってからも改善は可能ですが、より気づきにくくなってしまうと言えますね。

ここまでみてきましたように、身だしなみに気を配れないと、ビジネスマナーが出来ていないと判断されがちで、日常生活をキチンと過ごせていないとも判断され、大人になる程、その改善が難しくなってしまうというデメリットが挙げられます。

では、これらのデメリットを回避するための改善策について、みてみましょう。

身だしなみに気を配れるようになる改善策について

では、身だしなみに気を配れるようになる改善策について、具体的にみてみましょう。

保護者が身だしなみに気を配れているかどうか確認してみる

まずお子さんの身だしなみの改善の前に、保護者の方の身だしなみが、キチンと整っているか今一度確認してみましょう。

「親は子供の鏡」と言われているように、子供は親の行動を良くみていて、それを自然と真似ている部分があると言われています。

そのため、親である保護者の方が、まずキチンと身だしなみに気を配れているか、一度確認してみましょう。

もし、身だしなみに気を配れていないと思ったら、すぐにある程度の身だしなみに整えて、子供と一緒にそれを楽しみながら、取り組んでみることをオススメ致します。

読書をしてみる=他人へ関心を持ってもらうため

発達障害の方や、知的障害の方が身だしなみに気を配れない根本的な原因として、他人に関心があまりない、もしくは全くないという性質があるからだと言えます。

そのため、他者の心情をある程度、イメージしてもらうためにも、読書を習慣化させることをオススメ致します。

読書のジャンルは様々ありますが、小説は特に人の心理描写を描いているので、他者への想像力を育む力を養うためにも、オススメ致します。

小説以外でも、ダイレクトに「身だしなみを改善させるには?」をテーマにした本を読んでみても良いでしょう。

本は1冊、高くても数千円とお金もほとんどかからないので、読書は大変オススメできる改善策となっています。

専門の訓練施設で身だしなみを改善してみる

先述のことをやってみても、あまり効果がなかった場合は、専門の訓練施設で身だしなみを改善してみても良いかもしれません。

例えば、放課後等デイサービスPolaris(ポラリス)教室では、ライフスキルトレーニングという、発達障害や知的障害のあるお子さん向けのプログラムを用意しています。

このプログラムは、10項目あり、衣食住を保つためのライフスキルと、地域で活動するためのライフスキルの2本軸で構成されています。

身だしなみに関しては、衣食住を保つためのライフスキルに該当し、より効果的な訓練効果が期待でき、数多くの改善事例が報告されています。

身だしなみに関しての改善実績も確かなものがあり、例えば、中学生の女の子の改善事例が挙げられます。

改善事例を具体的にみてみますと、このお子さんは、家庭でも入浴、着替え、洗顔等、声掛けだけでは中々習慣化できず困っていると、保護者の方から相談がありました。

Polaris(ポラリス)教室では、お子さんに最適なライフスキルトレーニングだと判断した、身だしなみプログラムの中でも、社会人としてのメイクや髪形を学ぶ場「就労準備型」を設け、訓練サービスを提供しました。

その結果、このお子さんは、もともと可愛い物や、流行の物が好きだった子だったので、とても興味を持ち、意欲的に参加してくれました。

最終的には、メイク道具を欲しがったり、鏡を見る回数が増えたり、髪形を整え、自分でヘアピンを付けたりと、自分の身なりに興味が湧いてきた様子だったことが報告されています。

このように、思春期の場合、機会を与えるだけで、着実に身だしなみに興味をもってくれる可能性が高くなっています。

そのため、Polaris(ポラリス)教室の訓練サービスの効果も、高い効果が期待できると言えますね。

もし、家庭や個人の努力でも厳しい場合は、Polaris(ポラリス)教室が提供している訓練サービスを活用してみても良いかもしれませんね。

身だしなみに気を配り過ぎるのも問題

これまで身だしなみに気を配るようにすることのデメリットや改善策について、みてきましたが、一方で、身だしなみを整えるレベルを超えて、外見にこだわりすぎる方が非常に多くなってきているのも事実であると言えます。

それを象徴するかのように、現代では、大人を中心に、美容整形が隆盛を極めています。

このように、身だしなみを整えるレベルを超えて、外見を過度に気にすることは、返って生活の質を著しく低下させてしまう可能性もあると言えます。

そのため、身だしなみに関しては、あくまでも生活をキチンと過ごす為の手段だと思って、取り組んでもらう方が、結果として、バランスがとれた身だしなみの感覚を身に付けられると言えますね。

今後の働き方は自由度が高くなる可能性大

また、今後の働き方で言えば、リモートで仕事ができれば、わざわざ出社する必要がないので、服装に気を配る必要もなくなっていきます。

コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークが推奨されていますが、これがITを中心に、他の業界でも部門によっては、このリモートワークが普遍的になっていくと推測されています。

そのため、身だしなみの改善に取り組んでみて、結果的に改善させることが出来なくても、働くこと自体にはあまり支障がなくなっていくと言えますので、改善できなくても過度に心配する必要はないと言えるでしょう。

しかしながら、社交的に生きていく上で、やはり身だしなみは整えておくべきであると言え、最低限の身だしなみは早期に身に付けておくと良いでしょう。

まとめ

これまでみてきましたように、身だしなみを整えることが難しくなると、大人になってからビジネスマナーがない人であり、結果として信頼されにくくなってしまいます。

また、日常生活をキチンと過ごせていないとも判断されてしまいがちで、だらしないと思われてしまう可能性もあります。

さらに、友達も作りづらくなってしまうので、出来れば早期に、身だしなみを整え、生活の質を向上しておいた方が良いと言えますね。

改善策としては、読書で他者へのイメージを働かせるように訓練し、保護者の方もお子さんと一緒に身だしなみを整えることに取り組んでみても良いかもしれません。

それでも厳しい場合は、Polaris(ポラリス)教室が提供している訓練サービスを活用することによっても改善できると言え、外部のサービスを取り入れてみても、良いかもしれません。

注意点としては、過度に身だしなみを気にしすぎると返ってそのことに意識が集中してしまうので、生活の質が低下してしまう恐れがあります。

そのため、適度なバランスを持って、出来れば楽しみなだら、身だしなみの改善を行ってみることをオススメ致します。