集中力は何かに取り組む際に重要な能力と言えますね。
例えば、試験勉強では、普段の教室というスペースの中で、集中して授業を聴く必要があり、理解した上で過去問題を解かないと、得点に結びつけることは難しいです。
また、仕事においても、事務所というスペースで、複数の業務が同時並行で進んでいく中で、集中して1つ1つ丁寧にこなしていくことが重要となっています。
そのため、どんな場所であったとしても、如何にして集中して物事に取り組めるのかが、人生において重要なポイントと言えるのかも知れません。
今回は、特定の場所において、注意力が散漫になってしまい、集中することが難しい方を対象に、放課後等デイサービスPolaris(ポラリス)教室が提供している働く力を向上させるサービスをご紹介させていただきつつ、どのように改善することができるのかについて、ご紹介させていただきます。
聴覚過敏とは?
まず、聴覚過敏について少しみてみましょう。
聴覚過敏が気になる方の特性について
特定の音が過剰に気になる症状について、可能性がある特性について記載させていただきます。主に以下の特性があるとされています。
➀自閉症などの発達障碍で聴覚過敏の兆候が顕著になっている
➁HSC(ハイリーセンセティブチャイルド)の特性があり、聴覚過敏の兆候が顕著になっている
主に、これらの特性により、聴覚過敏になってしまっている可能性が高いです。
聴覚以外にも、視覚、嗅覚、味覚、触覚などの感覚過敏の症状が出ている可能性もあるので、日常生活が困難となっている場合は、お近くの心療内科などで一旦お子さんを診てもらった方がよいかもしれません。
では、これらを踏まえた上で、聴覚過敏を改善できないとどうなってしまうのかという点について、記載させていただきます。
聴覚過敏の方が気になる音について
聴覚過敏の方が気になる音は、以下のような音とされています。
・車やバイクの音
・クラクションの音
・エアコンの室外機
・犬の鳴き声
・赤ちゃんの泣き声
・電子音
・人込みのざわざわした音
他にも様々な音に敏感に反応してしまう傾向がありますので、これらの音を如何に防いでいくか、いかに慣れてもらうかが重要になります。
聴覚過敏を改善できない場合に生じるデメリット
では、聴覚過敏を改善させることが難しい場合、どういったデメリットが考えられるのかみてみましょう。
失敗や成功体験を積みにくくなってしまう
聴覚過敏により、音に対する恐怖心が必要以上に芽生えてしまうと、物事に集中して取り組むことが難しくなってしまいます。
そのため、結果的に学校に通えなくなったり、生活リズムの崩れから不眠症気味になってしまったりと、生活の質が低下してしまい、お子さんの本来の意欲や能力を発揮できない可能性が高くなってしまいます。
子どもから大人になる成長過程で、いろいろなことに取り組んでみて、失敗したり、成功したりを繰り返しますが、基本的にはここで経験した成功体験を基に、成人後も判断していく可能性が高くなります。
このように、できるだけ好奇心旺盛でチャレンジしやすい子どもの内に成功体験を積み重ね、自信も芽生えた上で大人になっていくことが望ましいと言えます。
そのため、お子さんに聴覚過敏がある場合、早期に改善してもらうことが望ましいです。
しかし、一気に改善してもらうことは難しいと言えるので、少なくともその症状を認知し、受けとめつつも、興味のある分野にチャレンジしてもらい、成功と失敗の体験を多くしてもらうことが重要だと言えるでしょう。
勉強や仕事に支障が出てしまう
聴覚過敏の症状により、物事へ取り組む際に集中しづらくなってしまいます。
例えば、周りの音が必要以上に気になってしまうことで、授業を集中して聴くことができなくなってしまう可能性があります。
また、仕事の場合でも、事務所内で事務作業をすることを想定した場合、電話の音や会話などにより、これらの音に過剰に反応してしまうことで、集中力が続かなくなってしまう可能性があります。
このため、仕事が雑になってしまいミスを連発してしまい信用されなくなってしまうことが考えられます。
集団行動がとりづらくなってしまう
集団行動をとる際、基本的に周辺の音が出ることがほとんどだと思います。
例えば、何人かで遊ぶ場合、室外室内ともに様々な音の中で遊ぶことになります。
そのような状況で、音が気になってしまうと友達と遊ぶことが困難となってしまい、友達が少なくなってしまう可能性が考えられます。
つまり、性格的に問題が全くなくても、集団行動が苦手と映ってしまい、社交性を発揮しづらくなってしまう可能性が高くなってしまいます。
基本的には、1人では仕事は出来ず、誰かと連携して職務を遂行していくことになりますが、その際に活かせる能力は、学生時代に培った集団行動の体験がベースとしてあります。
そのため、集団行動を最低限とることが出来れば、働く力も向上すると言えます。
このように、早期に改善させることが出来ない場合、年齢を重ねるにつれて、改善させることも難しくなっていくと考えられています。
出来れば、思春期から青年期において、聴覚過敏の症状を改善させることが望ましいと言えますね。
聴覚過敏を改善する方法とは?
では、聴覚過敏を改善する方法は、どのような方法があるのかについて、みていきましょう。
聴覚過敏を抑えるアイテムを使用する
まず聴覚過敏を抑えるアイテムとして、イヤーマフを装着して、生活してもらうことが改善策として挙げられます。
イヤーマフを装着することで、物理的に音を遮断することで、日常の生活を聴覚過敏の症状を抑えて過ごしてもらえるようになります。
このアイテムの使用は、単に聴覚過敏の症状を抑えるだけではなく、必要な時に身に付け、症状を抑えることで精神的に安心を得ることができます。
そのため、イヤーマフを身に付ける時間や回数も徐々に減らしていき、最終的には、イヤーマフなしで問題なく日常を過ごせるようになることが目標になります。
放課後等デイサービスPolaris(ポラリス)教室では、このイヤーマフを活用して、聴覚過敏の方の症状を緩和させるトレーニングを行っています。
聴覚過敏の方は、特定の人や音が苦手で、癇癪を起こすなど日常生活に支障が起きてしまうことがあります。
その原因となる音を取り除くことがベストですが、そういった環境を整備することは時間やお金がかかり、難しくなっています。
これらから、放課後等デイサービスPolaris(ポラリス)教室では、本人に対処法を身に付けてほしいと考えた結果、事業所内のプレイルーム(余暇活動のための広いスペース)に、いつでも自由に使えるイヤーマフを準備しています。
当初は、ほとんどのお子さんが自分でイヤーマフを持っておらず、また普段からの装着にも慣れていないため嫌がりますが、訓練を通して徐々に慣れてもらった結果、現在では御守りのように、自ら装着しただけで、安心して日常を過ごせるようになりました。
精神科及び心療内科を受診してみる
聴覚過敏の症状が深刻な場合、一度精神科か心療内科を受診してみても良いかもしれません。
精神科や心療内科に通うことは、抵抗があるかもしれませんが、早い内から原因を突き止めることで、有効に対応することが可能となり、早く症状が改善されることが期待できます。
聴覚過敏の症状そのものについての根本的な治療は確立されていないのが現状ですが、症状への対処法としては、薬の服用とカウンセリングなどの心理療法がメインとなります。
そのため、これらの治療法によって、症状を抑えることができます。
日常生活でプレッシャーがかかる物事を減らしてみる
聴覚過敏に限らず感覚過敏の症状は、精神状態の影響を受けやすいと言われています。
そのため、精神状態が悪いと不安が強くなってしまい、症状が重くなってしまいます。
精神状態の悪化を軽減させるために、聴覚過敏の原因と考えられる物事を減らしてみることも、有効な対処法の1つだと考えられています。例えば、学校への通学の頻度や、部活動などの活動の頻度を減らしてみることが、良いかもしれません。
まずは、聴覚過敏の症状をコントロールできることを優先させ、コントロールが十分できるようになってから、再度減らした物事の活動を再開させてみても良いかもしれません。
社会人になっても、日本的雇用制度が崩れている現在においては、学び直しの期間が必要であったり、一度キャリアの見直しを定期的に行うことが必要であったりと、一度取り組んでいる物事を減らし、修正する必要が誰でも必要になってきています。
そのため、子どもの時に困難を抱えていることをマイナスとして捉えるのではなく、むしろ早期から自分を見つめ直して修正できる良い機会として捉えていただき、改善してもらうことで、その経験はお子さんの働く力を向上させてくれると言えるでしょう。
まとめ
これまでみてきましたように、聴覚過敏がある場合、その症状をそのままにしてしまうと、失敗や成功の体験をすることが難しくなる点、勉強や仕事に支障が出てしまう点、集団行動がとりにくくなってしまう点などのデメリットが発生してしまいます。
しかし、早期からこれらの症状を改善させることで、お子さんの働く力を向上させることができます。
深刻な場合は、心療内科や精神科を活用し、症状を改善させましょう。
また、症状が軽度又は中度の場合は、放課後等デイサービスPolaris(ポラリス)教室が提供しているトレーニングを受けることで、イヤーマフを活用しての症状の改善が見込めます。
併せて、取り組んでいる物事を減らしてみて、プレッシャーを軽減することで、精神状態を安定させることができます。
お子さんの状態に合わせた対処法が必要なため、一概には言えませんが、改善することができる環境は整っているので、ぜひこれらの対処法を活用して、お子さんの聴覚過敏の改善に取り組んでみることをおすすめ致します。
改善できた経験は、大人になってからも有効に作用すると言えますので、マイナスの症状をプラスの経験にしていきましょう。