子どもがまだ小さい時は、危険な場所を認識することができず、ケガをしたり、事故に遭ったりする可能性があります。

特に知的障害や発達障害を持っているお子さんの場合は、この危険予知の認識が低い可能性があるため、最悪、大きな事故になってしまう可能性も考えられます。

そのため、できれば子どもの内に「危険ということは何を意味するのか?」という認識を培うことが重要となっています。

危険を予知することができれば、社会生活を送る上で、適切に危険を察知し、未然に危険を回避でき、身を守ることに繋がります。

今回は、この点について、合同会社ポラリスが運営する放課後等デイサービスの療育をご紹介しつつ、改善されなかった場合のデメリットや、改善点などもご紹介させていただきます。

子どもは危険予知がもともと低い

発達障害や知的障害に関わらず、子どもは本来、危険予知が低いとされています。

つまり、子どもは危険に対する認識がほとんどない状態なので、学校生活や遊びを通して、徐々にこれらの力を育んでいくものとされています。

一方で、発達障害や自閉症、ADHDなどの何らかの障害を持つ子どもの場合は、これらの特性から、周囲が危険だと判断する行動を、それが危険だと認識できずに多くとってしまうことがあります。

では、その原因について、まずはみてみましょう。

衝動的に行動してしまう

知的障害や発達障害を持つお子さんは、場所や場面を深く考えず、思ったことや気になったことに対し、すぐに行動してしまう傾向が強くなっています。

この特性が、危険な場所で遊んでしまい事故を誘発する可能性を高めてしまっていると考えられます。

そのため、気になったことがあるとしても、その気持ちを抑えてコントロールできるように、ある程度の訓練が必要になっていきます。

視野狭窄に陥りやすい

1つの物事や興味のある物事があると、それだけにしか目が付かなくなる傾向が強くなっています。

つまり、一種の視野狭窄に陥ってしまう傾向が強いと言えます。

例えば、交通量が多い道路などの危険な場所であったとしても、そこに自分の興味のある対象がある場合は、危険を顧みずに、それを追いかけてしまったりすることが挙げられます。

そのため、事故に遭う可能性も当然高くなってしまいます。

危険という認識を意識付けてもらうことが難しい

先述のように、障害の有無に関わらず、子どもの時期は危険という認識がほとんどありませんが、学校生活を通して、学んでいくことで、危険予知や察知能力も育むことができます。

問題となるのは、何らかの障害を持っているとされている子どもが、この生活から危険を学ぶ力が乏しいという訳ではなく、その環境にあると言えます。

つまり、何らかの障害を持っているとされている子どもの場合、そもそも危険なものが排除された環境でのみ活動を許可されていたり、周囲の人が必要以上に危険なものを触らせないようにしたりと、危険という認識を育む環境に恵まれていない可能性が考えられます。

この点については、危険予知ができないので致し方ないと言えますが、ある程度の危険予知の訓練を通して、その力を培うことができていると判断できたタイミングで、許可されていない場所でも、お子さんを遊ばせてみても良いかもしれません。

その際は、一緒に遊ぶ場所まで同行し、遠くから確認しておく程度に留めるなど、徐々にお子さんの自由にさせていくことも必要になっていくと言えますね。

距離感や空間認識が分からない

先述の障害をもっているとされる子どもの場合、「距離感」、「方向性」、「高さや低さ」、「大きさ広さ」、「広さや狭さ」などを実際とは違うように受け取ってしまうとされています。

このため、結果として危険性が高い行動になってしまい、ケガや事故の原因の基となってしまっています。

これは、感覚が過敏になっていたり、逆に感覚が鈍感になっていたりすると言われており、この感覚を訓練で改善させていく必要があります。

では、これらの発達障害の方や知的障害の方が、危険を予知できない原因をみてきた上で、それらを改善できない場合のデメリットについて、みていきましょう。

改善できない場合のデメリットとは?

では、危険を予知したり、察知できなかったりする状態を改善できない場合は、どうなってしまうのかについて、みていきましょう。

相手にケガを負わせてしまう可能性が高まってしまう

まず、危険予知ができない場合、自転車や車に乗るようになった後に、事故を起こす可能性が高くなってしまうことが大きなデメリットとして挙げられます。

これは、自分がケガをしてしまった場合は、しょうがないことで済む可能性が高いです。

しかし、相手に対して、もし対人事故を起こしてしまった場合は、相手の怪我をさせてしまう可能性があります。

このように、自転車や自家用車を運転した場合、相手に対して損害を与えかねないので、まずは、危険予知が改善できていない場合は、自転車に乗るのを控えたり、免許を取得していても車を運転しないようにしたりと、改善できるまで控えた方が良いと言えますね。

そのため、危険予知ができない場合は、まずは無理をせず、危険を認識できるようになるまでは運転しないようにしておくことが先決と言えますね。

運転に不安のある方は、徐々に危険を予知できるようになってから、運転するようにしましょう。

仕事に支障がでてしまう

危険を予知したり、察知できなかったりする状態を改善できないまま、大人になってしまうと、仕事上、数多くの支障が出てしまう点が挙げられます。

例えば、就職した後に、社用車を運転することもあります。また業界や職種によっては車を運転することが当たり前の仕事もあります。

そういった仕事を選んで就職した際に、事故を引き起こしてしまう可能性が高くなります。

物損事故であれば、保険での支払いなどで会社が損害を負担してくれますが、対人の場合は取り返しのつかない事故となってしまいます。

さらに、その仕事を辞めざるをえないことにも繋がるので、危険予知が改善されないままだと、事故の可能性を高め、さらに失職してしまうリスクを高めてしまいます。

また、事故を起こさなかったとしても、注意力が散漫になりがちで、集中しづらい人物という周囲からのレッテルを貼られてしまう可能性もあります。

結果として仕事を任せてもらいにくくなってしまう可能性もあります。

このため、例え仕事に関する知識などが豊富であったとしても、仕事を完結させる実務能力は低いとみなされてしまうので、仕事を進めるには大変厳しい環境になってしまうと言えます。

これらより、危険予知の能力が改善できない場合の次に大きなデメリットとして、仕事に支障が出てしまうという点が挙げられます。

興味のあることしか見えなくなるため、視野が狭くなってしまう

危険予知が改善されない場合、興味のあることしか見えなくなってしまうため、危険性を顧みずに生活する傾向が強まってしまいます。

例えば、スマホのゲームにもし興味をもってしまったら、他のことよりもそちらを優先してしまい、課金をしてでもそのゲームに没頭してしまい、お金を失う危険性が高まってしまいます。

これは、障害の有無に関わらず、危険性を顧みず、スマホのゲームに没頭する子どもの数は増え続けており、社会的な問題となりつつあります。

保護者としては、スマホにフィルタリングの設定をすることで防ぐなど、一定制限が必要になってきます。

しかし、身近に存在する危険は、これ以外にも想像以上にあり、かつ、危険性が高いのにも関わらず、平然とその危険性が放置されているサービス、場所や施設があるので、その危険性を予知した行動が、子どもでも大人になってからも必要となっていきます。

これは大人でも普通にその危険性を認識していながらも、利用している人もおり、障害がある方にとっては、より分かりにくい危険だと言えます。

そのため、このように危険性が高いか高くないかを判断することが一見するとわかりづらいため、こういった危険性の高いサービス、場所や施設に興味をもつ前に、まず認識してもらうことが重要となっていきます。

そのため、改善の見込みが立つまでは、一緒に興味のある対象が何なのかを考えてあげたり、口頭でも良いので、わかりづらいけれど危険性の高いものを教えたりした方が良いと言えますね。

では、デメリットをみてきた上で、改善策について、みていきましょう。

危険性を認識してもらう改善策とは?

では、危険性を認識してもらう改善策について、みてみましょう。

一緒に危険なことを確認する

まずは、どういったサービスの利用や場所、行動が危険になりうるのか、一緒になって考える訓練をしてみましょう。

例えば、「横断歩道は赤になってから進み、青になったら進んで良い」、「交差点では一回左右を確認してから渡ること」、「スマホの利用の際はゲームをしないこと」など、一定のルールを決めて、それに則り一緒に行動して、危険な行動がないかどうか見守る必要があります。

ルールに則り行動できているかどうか確認する

最初に決めたルールに則り、ある程度危険性を考慮した意識づけができてきた段階で、今度は一緒に外で行動してみるようにしてみましょう。

外出することで、また興味のある対象や、危険がある場所などを経験することになりますが、その点について、問題なく行動できているかどうかを見守ってみましょう。

その段階でも問題なければ、友達と遊んでもらうなど、誰かと同伴の基、自由に行動してもらうようにしてみて、どんどん経験を重ねてもらいましょう。

専門の訓練サービスを利用してみる

先述の改善策で解決が難しい場合は、専門の訓練サービスを利用してもらっても良いかもしれません。

合同会社ポラリスでは、放課後等デイサービスPolaris(ポラリス)教室として発達障害や知的障害の方を対象とした専門の療育サービスを提供しています。

こちらの放課後等デイサービスは、生活訓練型と就労準備型の2つに大別されており、危険性を認識しづらいお子さんに対しても有効なサービスを提供しています。

例えば、ドアの前には危険が多いですが、ドアの前のみ、マットを貼り換え、視覚的に危険だと分かりやすいように、お子さんが過ごす環境面から配慮した作りにしています。

さらに、危険予知には重要となってくる空間把握などの経験を、VR訓練での仮想現実の世界を通して経験することができるので、養いにくい経験を感覚レベルで訓練することができます。

このように、危険性を認識してもらうだけではなく、総合的にお子さんの将来における働く力を向上できる訓練施設となっています。

そのため、危険予知の能力に不安があり、かつ改善が難しい場合は、放火等デイサービスPolaris(ポラリス)教室の療育サービスを利用してもらっても良いかもしれません。

まとめ

危険予知ができない状態を改善できないままだと、相手にケガをさせてしまったり、仕事の遂行が難しくなってしまったり、視野狭窄に陥ってしまったりと多くのデメリットが挙げられます。

難しいのは、誰でもその危険性を分かっていながら、繰り返し行ってしまう面もあり、より一層、危険性に配慮した生活を過ごしてもらうことが重要となってきています。

なかなか養いにくく、客観的にわかりづらいので、もし危険予知に不安がある方で、改善が見込めない場合は、放課後等デイサービスPolaris(ポラリス)教室を活用してみても良いかもしれません。