日本では「阿吽の呼吸」などと言われているように、相手の心情を汲み取った上での発言や行動が称賛される文化が発達していると言えますね。
このため、相手の意を汲んだ上での判断や発言が、大人になってから求められるので、できればこの特有のコミュニケーションを子供の頃から培っておくべきだと言えるのかもしれません。
今回は、悪気がなく、暴言や暴力となってしまうお子さんの気質を、放課後等デイサービス Polaris(ポラリス)教室が提供するサービスをご紹介しつつ、どうやって改善させることができるのかについて、ご紹介させていただきます。
訓練を通して、相手の意を汲んだコミュニケーションができるようになれば、働く力の向上にも繋がりますので、ぜひご一読していただければと思います。
生徒指導の限界
現在、学校の先生の職務がいわゆるブラック企業並みと言われており、学校の役割が変化してきていると言えます。
先生は本来、生徒に指導し、あるべき方向に導いていく使命感を持って接することが基本でしたが、業務過多の影響もあり、かつてのような先生のイメージとかけ離れてきていると言えるのかもしれません。
その影響もあり、いじめなどの件数が昨今、上昇しており、学校で生徒同士の問題に介入することが、非常に難しくなってきていると言えます。
一方で、青少年のスマホ保有率は以前にも増して高くなっており、小学校でスマホを持つ生徒がかなりの率となっていると言えでしょう。
そのため、SNS経由での先生の目の届かないところでの、陰湿ないじめも多発しており、もはや学校が介入できるレベルを超えてしまって、生徒同士のトラブルが発生してしまっていると言えます。
このように、先生の業務過多及び、ITツールの発達により、ますます暴言や暴力が悪いことと思わずにそれを平気で行ってしまう生徒と、一方的にそれを受け入れてしまう生徒が増加していくものと推測でき、一方でこれを学校が矯正したり、解決したりすることが期待できなくなってきている時代と言えるのかもしれません。
相手の気持ちを考えすぎるのも問題
求められるのは生産性
また、働く力に関して、日本は相手の気持ちを汲むことに関しては、諸外国に比べて、過剰とも言える国民性が現在あるということは、抑えておくべきかもしれません。
例えば、「赤信号みんなで歩けば怖くない」という諺にもあるように、みんなが同じ方向を向いて仕事に取り組むことで、これまでの高度経済成長を実現し、世界第2位(現在は世界第3位)の経済大国まで発展することができました。
しかし、この高度経済成長を支えていた経済モデルである大量生産大量消費の時代は終焉しつつあり、現在はITツールの発達により、個々人がそれぞれの仕事を効率的に完了させるビジネスモデルへと変遷しており、日本は過去の成功体験から脱却できずに、生産性に関しては、先進国で最下位となっています。
追い打ちをかけるように、現在は、気候変動に対応できるビジネスモデルを構築できる、SDGsと言われる「持続可能性」を実現できる企業が価値を持つと言われており、大量生産及び大量消費の時代は完全に終焉したものとなっています。
ジョブ型がメインとなっていく
このように企業を取り巻く環境の変化に伴い、そこで働く人に関しても、これまでの同じ方向を向いて仕事に取り組むというよりかは、ある程度その人の能力を発揮した上で、チームとしても機能させていく方向にシフトしてきていると言えるでしょう。
つまり、人に仕事を振り分けるのではなく、あくまで仕事に人を振り分けるジョブ型に変化してきており、個性を活かした仕事の取り組み方となってきています。
そのため、今後の働く力において重要となってくるのは、個人の資質や能力を前提とした上で、如何に組織に適合させていくことができるかということになってきているものと推測できます。
人間関係を良好に保つことが、長期的な就業を可能とする
また、職場の人間関係で、仕事を辞めてしまう人が年々増加してきています。
背景としては、企業が生産性と効率性を求めるばかりに、職場での人間関係が希薄化し、良好人間関係を築きづらい世の中になってきていると言えます。
その結果、退職してしまうケースが多くなってきてしまっていると言えますね。
これまでみてきましたように、学校での生徒指導の限界と、求められる働く力が変化してきていることを前提として、いかにして本児のコミュニケーションの悪いクセを修正しつつ、個人としての自立を促し、組織人として円滑にコミュニケーションをとっていくことができるようになるという点が重要となってきているものと言えそうです。
悪意のない暴言や暴力を改善できないとどうなるか
友達ができにくくなってしまう
悪気なく暴言や暴行をしてしまうと、これまで仲の良かった友達と喧嘩になってしまう可能性も高く、その喧嘩が原因で疎遠になってしまうことも考えられます。
青年期の友達関係は、大人になってからも良好な場合は継続していくと言え、それを土台として大人のコミュニケーションをとれる自信がつくと思います。
そのため、折角、気が合った友達との関係を失わないためにも、なるべく早期にお子さんの悪いコミュニケーションのクセは自覚してもらった方が、お子さんのためになると言えますね。
仕事が上手くいかなくなってしまう
先述の通り、働く力に関しては生産性が重要となりますが、仕事をする上での大前提として、信頼される人になることが重要です。
暴言や暴力を行ってしまうクセが矯正されないまま大人になってしまった場合、仮に生産性が高く、仕事ができる能力をもっていたとしても、顧客先や、同僚に対して、暴言や暴力をその時の感情で悪気がなくてもしてしまうと、せっかく仕事で培った信頼を失くしてしまうことになってしまいます。
その結果、仕事を頼まれなくなくなり、せっかくの能力を仕事で活かせなくなってしまいます。
このように、仕事は信頼で成り立っていると言えるので、信頼を失くしてしまうような態度や発言はそのままにせず、極力改善した方が、本児のためになると言えますね。
人間関係が嫌になり、退職してしまうことも
また、暴言や暴力を悪気なく行ってしまう気質が改善されないまま大人になってしまうと、就職先でトラブルを起こしてしまう可能性が高くなってしまい、最悪、退職を選択せざるをえなくなってしまいます。
人間関係を構築できずに退職してしまうと、また同じようなことを次の就職先でも繰り返してしまう可能性が高く、職業を安定させることが難しくなってしまいます。
そのため、できれば相手の気持ちを考慮した上で、発言や行動ができるようになると良いと言えますね。
では、改善方法についてみてみましょう。
暴言や暴行をしてしまう場合の改善方法について
感情の起伏が激しい気質を、どうやってコントロールすることができるようになるのか、その改善方法についてみていきましょう。
スポーツ活動に参加してみる
代表的な例では、スポーツなどで、その有り余るエネルギーを発散してもらい、攻撃的な性格を良い方向にもっていくと良いかも知れません。
自分も鍛えられますし、相手にも鍛えられます。また、スポーツ活動は、基本的に態度や礼節について、厳しい指導者が多く、お子さんの態度も矯正される可能性が高いと言えます。
小説を読んで、心理描写をイメージして追体験してみる
スポーツ活動で、礼節や態度を改善することが、一番実践的で効果的と言えますが、厳しい環境の場合、途中で挫折して、辞めてしまう可能性もあります。
そのため、スポーツ活動への参加があまり向いていないと判断している場合は、本、特に小説の読み込みをオススメ致します。
小説には、人間の心理描写が記載されている作品が多く、そういった小説を読み込むことで、本に登場する人物の心理を追体験することができます。
これを継続させていくことができれば、少なくとも自分の暴言や暴行で相手がどういう気持ちになるのかを理解することができるようになる可能性が高いので、ぜひ試してみることをオススメ致します。
専門の訓練施設で改善してもらう
生活訓練型と就労準備型の放課後等デイサービスPolaris(ポラリス)教室では、ソーシャルスキルトレーニング(SST)でより効果的な訓練サービスを提供しています。
例えば、仲が良いつもりで悪気なく、コミュニケーションをとっていたつもりが、相手にとっては嫌な思いをさせてしまっているお子さんを対象にした有効なサービスを提供しています。
具体的には、本人で個別に言う前に、まずは全体に向けて、Polaris(ポラリス)教室の支援スタッフがみていて良くないと思った例を挙げ、これを防止するルール作りを徹底しています。
ルールとして
➀暴力や悪口は言わないこと、
➁パーソナルスペース(人と接するときの距離感=相手と握手をする距離)を守ることを設け、
都度ルールの確認をしてもらうことで、悪口や暴言を悪気なく相手にしてしまうクセを矯正する取組みを徹底して行っています。
一方で、その後気になる点があった場合は、その時その場で声を掛け、暴言や暴行を受けた相手方にも「やめて」と言う練習をしてもらうようにしています。
この相手側がしっかりと自分の気持ちを相手に伝えることも重要で、本人は相手からやめてと言われたことで、ようやく気が付き、暴言や暴行をやめることができました。
そのため、優しすぎるお子さんがいらっしゃる方も、ぜひPolaris(ポラリス)教室の訓練サービスを活用し、嫌なことは嫌と意思表示する訓練をしてもらうことをオススメ致します。
これらのように、双方向で健全なコミュニケーションをとれる環境を提供しつつ、個人の課題解決により焦点を当てたサービスも提供しています。
具体的には、個人の課題を目標にした頑張るカードに目標を掲げ、これを解決するごとに、ご褒美シールというシールを集めることで、課題解決を実感してもらうような仕組みを構築しています。
この結果、個人として、課題を着実に解決できるようになっています。
まとめ
これまでみてきましたように、お子さんにコミュニケーションの悪い点を自覚してもらうことが改善に向けた第一歩だと言えますね。
大人でも暴言や暴力を働いている人というのは、一定数存在しますが、あくまでも許容される範囲というものをしっかり把握してから、大人になってもらいたいと言えますね。
生活訓練型と就労準備型の放課後等デイサービスであるPolaris(ポラリス)教室の訓練を通して改善することができた後、もし大人になってパワハラなどに遭った場合、逆にその行動を正当に指摘できる強さをもった大人になってほしいと思います。