一般的に落ち着きがなく、多動の傾向があるお子さんは、大人になっていくにつれてその症状は緩和されていくものと言われています。

しかし、自助努力では改善が見込めない場合は、専門の病院などで治療をしてもらった方が良い場合もあります。

又、そういった気質が顕著な場合は、社会生活も困難となってしまうので、幼少期の頃に早めに改善させておくことが、重要だと言えますね。

今回は、そういったお子さんを対象に、将来の働く力を備えてもらう為に、放課後等デイサービス Polaris(ポラリス)教室のサービスをご紹介させていただきます。

注意欠陥多動性障害とは?

落ち着きがなく、多動の傾向が顕著な場合は、注意欠陥多動性障害である場合考えられます。

通称ADHDと言われているこの障害は、発達障害の一種と言われており、以下の3つの特徴があるとされています。

・不注意さ

・多動性

・衝動性

これらの特徴がある為、場に応じて自分の行動や感情をコントロールすることが苦手な為、この傾向を抑えられないと、日常生活に支障が出てしまう可能性が高いとされています。

しかし、幼少期や青年期に、この特徴があるにも関わらず、問題なく学校生活は送れていることも多く、見過ごされがちな傾向があり、大人になってからこの特徴が表面化する場合が多いとされています。

この障害の難しいところとされているのが、健常者と見分けがつきにくく、また障害といわないまでも大なり小なり誰でも持ち合わせている気質でもあるので、気になる方は、お近くの診療内科で診察してもらっても良いかもしれません。

では、こういった特徴が顕著なお子さんに対して、早期に改善できないとどうなる可能性が高いのかみていきましょう。

仕事上のミスが増え、社会人として信用されない

ADHDの症状が顕著なまま大人になってしまった場合、考えられるのが、就職してからの会社での仕事で、注意力が散漫になってしまい、仕事上のミスが増えてしまう可能性が高いことが挙げられます。

基本的に、入社してすぐにやる仕事というのは、大企業でも中小企業でも変わらず、実務からのスタートだと言えます。

また、チームの下支えとなる雑務もこなしていく中で、教えられたことだけではなく、自分で考えてさらにその考えを深化させて、業務を改善させることも重要なポイントとなってきます。

その為、この初期の段階で、集中力が保てないと、仕事を教えてもらえなくなる可能性もあり、かつ、自分で教えられた仕事を考えて、改善させていくこともできなくなってしまう可能性があります。

その結果、社会人として信用されにくくなってしまい、思うような結果が出ずに、最悪退職することにもなってしまいます。

その為、こういった傾向がある場合は、なるべく早期に改善できることが、望ましいと言えますね。

社会人になってからの改善は困難

社会人になってからの改善は、中々難しいと言えます。

大人になってからの場合、症状を治療する以外にも、日常生活を過ごす必要がある為、仕事、生活、症状の改善など、多面的に活動する必要があり、症状の治療に集中して取り組める時間が少ないと言えます。

その為、社会人になってから、改善する場合よりも、幼少期や青年期の大人になる前の段階で、しっかりと治療させておくべきだと言えます。

うつ病などその他の疾病を併発する可能性が高い

先述の通り、ADHDの兆候が顕著な場合、その気質の為に、社会生活上支障をきたすことが多くなってしまいます。

例えば、幼少期や青年期では、学校でのいじめなどによる引きこもりに繋がる可能性があり、大人になってからは、仕事上での失職リスク及びうつ病などの他の精神障害に繋がってしまう可能性が高いと言えます。

この為、今後を見据えて、本児の就業する力を向上させ、将来的に障害となってしまう気質を、出来るだけ早い段階で改善させておくことが重要だと言えます。

厚生労働省によると、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、統計上の数値によると、平成26年度には392万人、平成29年度には400万人と近年大幅に増加していることが判明しています。

その内、うつ病の患者数はトップとなっており、以下に不安障害、統合失調症、認知症と続いています。

又、精神疾患の労災補償の請求件数の状況について併せてみてみますと、こちらも比例して増加しており、平成27年には1,515件、平成28年には1,586件、平成29年には1,732件、平成30年には1,820件、令和元年には2,060件と増加のスピードもより顕著になってきています。

又、この内、令和元年に労災補償の支給が決定された件数は、509件のみとなっており、請求したものの、未支給となってしまっている請求権者は、4人3人と半分以上が請求を退けられてしまっているという問題があります。

その為、成人後に就業した後、ADHDの気質が仕事上で何らかの障害となってしまい失職した場合、その後の行政支援が、現状では中々期待することが難しい状況となってしまっていると言えます。

これらから、早期に改善し、あるいはお子さんの気質を正確に把握しておくことが出来れば、健常者と同じ就業スタイルを長期的に目指しつつ、改善できなければその気質に合致した就業スタイルを本児と一緒に探していくことも可能と言えます。

では、デメリットを把握した上で、解決法をみていきましょう。

診療内科などの近くの病院を受診し、現状を正しく認識する

先述のように、ADHDなどの気質は、健常者にも少なからずある気質だとされており、見極めが難しい障害だと言えます。

その為、出来れば、お子さんの気質がADHDなどの障害に適合しているのかどうかを把握する為に、最初はお近くの診療内科を受診してもらうことをオススメ致します。

もし、本児がADHDなどに該当する場合は、まずは病院で処方されたお薬や、カウンセリングで症状が緩和する可能性も高いと言えます。

その為、まずは現状の気質の把握を最優先で行うことをおすすめ致します。

避難場所を活用しつつ、集団生活に慣れてもらう

ADHDなどの兆候が顕著なお子さんに対しては、まず集団生活に慣れてもらうことからスタートしてもらっても良いかもしれません。

Polaris(ポラリス)教室では、このような気質をもつ本児に対して、効果的な訓練トレーニングを行っています。

例えば、事業所内の広いスペースに、たくさんのお友達とスタッフがいる環境に本児が落ち着かない場合は、ワンタッチ式の小さい簡易テントを導入し、その中に本児の好きなものを持ち込んで置き、事業所内に仮設の避難場所兼自己ルームを設置します。

こうすることで、集団生活に早期から慣れてもらいつつ、気質が顕著に表れそうな場合は、暗くて狭い環境に一旦避難してもらいます。

又、その避難場所で、本児の好きな事柄に取り組んでもらうことで、落ち着いて集団生活を過ごしてもらえるようになります。

仮に改善できなくても、その障害を把握しておくことで次に繋がる

先述のように、厚生労働省の統計では、精神障害の件数が増加していることが明らかとなっています。

これを反映してか、現在では、障害者の方専用の就労支援サービスを提供している民間企業も多数存在しています。

例えば、LITALICOでは、障害者の方専用の就労支援サービスを提供しています。

面接などの段階から、その障害をあることを前提に就職支援をしてくれるので、受け入れてくれる企業にとっても、就業する当人にとっても入社してからのギャップが少ないと言えます。

その為、幼少期や青年期でADHDなどの気質を改善できなかったとしても、事前にその気質の詳細を保護者の方や、本児自身が把握しておけば、大人になってからもその気質とうまく付き合えば、それが逆に就業する力となり得る時代となってきています。

幼少期や青年期で、ADHDなどの気質の改善を行って、もしそれが実らず改善できなかったとしても、現状の症状の把握を早期からしておくことで、大人になってからのストレスを緩和することが可能であり、むしろ働く力の向上に繋がると言えますね。

まとめ

これまでみてきましたように、幼少期や青年期では、その気質がわかりくい状況だと言えます。

そのまま大人になり、社会人になってから、会社員として多様な実務を担う中で、その気質がストレスにより、顕著に出てしまう可能性も高く、一回その気質が出てしまうと仕事上でも、ミスに繋がり、信用を失ってしまうことにも繋がりかねないと言えます。

又、一旦失職してしまうと、再就職などの対応にも追われることになるので、症状の治療の時間を確保しにくいと言えます。

そのような状況に陥ったとしても、各種行政サービスの補助金等の支給要件も件数の増加によって、厳しくなっているものと推測でき、効果的な行政サービスを受けることは、依然よりも難しくなってきていると言えます。

これらのこともあり、早期から、本児の落ち着かない気質であったり、集中力が散漫であったりする気質が顕著である場合は、早めに心療内科などを受診し、まずは現状の症状の把握を行うことをオススメ致します。

又、学校での集団生活が厳しい場合が、Polaris(ポラリス)教室が提供しているデイサービスを活用することで、集団生活に慣れることが可能となっています。

又、こういった取り組みを継続しても、その気質が改善されない場合もあり得ます。

そういった場合でも、現在では、LITALICOなどの障害者専用の就労支援サービスを提供している企業も出てきているので、改善が見込めなくても、その気質を把握しておくことで、職場でもその気質を受け入れてくれる企業が、精神疾患患者数の増加や人手不足などを背景に、実際に増えていくものと推測出来ます。

これらのことから、早期の改善を目指しつつ、本児の可能性を信じて取り組んでもらえれば、大人になってから社会でもスムーズに活躍できるようになると言えますね。