「何でわざわざ自分を傷つけるの?」という具合に、自傷行為に対して理解できない人は多いものです。

しかし、自傷行為をするのにも、きちんとした理由があります。やはり、「自傷行為はやめな!」と無闇に言うのは、逆効果になり得るので注意してください。 

精神障害が原因で自傷行為をすることがある

 自傷行為の原因の多くは、精神障害に関することとなっています。

つまり、何らかの心の問題が原因で、自傷行為をしてしまうことが多いのです。

 「心の問題」が自傷行為を誘発していることがあるわけですから、「複雑な問題である」と考えるべきでしょう。

だからこそ、「自傷行為はやめな!」などと、無闇に言うべきではないのです。

「自傷行為の方法」の代表例

 「自傷行為の方法」とは言っても、「様々なタイプ」が存在します。

つまり、自傷行為とは言っても、その方法は人によりけりなのです。ここからは、「自傷行為の方法」の代表例について、紹介をしてゆきます。

 「こんなふうに自傷行為をすることもあるんだ」ということを、知ってもらえれば嬉しく思います。

カッターナイフでリストカット

 「自傷行為の方法」で最も有名なのが、「カッターナイフでのリストカット」でしょう。

やはり、衝動的にカッターナイフを手に持って、やはり衝動的に手首をカットしてしまう人が多いようです。

 手首から出た血を見ることで、本人は「安心感」「生きがい」などを感じます。ただ、想像以上に血が出ることがあり、救急搬送を余儀なくされることもあるでしょう。

 また、カッターナイフで、首や足首をカットしてしまう場合もあります。また、包丁でのリストカットを試みる例もあり、これは相当危険だと言えるでしょう。

自分の頭を叩く

 例えば、自分では解決できない問題に直面して、ムシャクシャした結果、何度も何度も本気で自分の頭を叩くことがあります。

また、頭を壁にドンドンと、ぶつけたりすることもあるようです。

 自分の頭を叩いたり、頭を壁にぶつけたりすることで、「ストレス解消効果」「スッキリ感」を得られることが多々あります。

暴飲暴食する

 暴飲暴食をするというのも、自傷行為の一種だと考えられています。

例えば、「人生なんてどうにでもなれ…」と考えてしまい、浴びるほどにお酒を飲んだら、自分を傷つけることになりますよね。

 確かに、嫌なことがあったりすると、お酒や食事の量が増えがちです。しかし、健康を害するほどに増えた場合、それは自傷行為だと考えられるのです。 

自傷行為をするときの精神状態とは

 やはり、「どうして自傷行為をするの?」と、悩んでしまいますよね。

ここからは、「自傷行為をするときの精神状態」について、迫ってゆきましょう。 

 「自傷行為をするときの精神状態」がわかれば、自傷行為をする子どもと、上手に接することができるはずです。

「どうにもならない」と感じられる問題が起きたとき

 「どうにもならない」と感じられる問題が起きたとき、絶望感などを感じてしまい、自傷行為をすることがあります。

 「どうにもならない」と感じられる問題が起きても、健常者なら物事を整理してみたり、誰かに相談などをして、冷静を保てますよね。

また、「どうにもならないのだから…」と割り切って、気分転換をする人も多いはずです。

 しかし、精神障害者である場合、「冷静を保つこと」「気分転換」が上手にできず、結果として自傷行為をすることがあるのです。

 就活や就労など仕事に関することにおいては、「どうにもならないこと」が起きやすいでしょう。

従って、「就職を目指す精神障害者」「就労中の精神障害者」は、特に自傷行為に注意する必要があります。

自分の苦しさをわかってもらいたいとき

 人間である以上、苦しさを感じているものです。

特に、精神障害者である場合、上手くいかないことが多く、健常者以上に苦しさを感じているかもしれません。

 自分で感じる苦しさって、誰かに理解してもらいたいですよね。

しかし、そんな苦しさを、上手に伝えられないこともあります。

また、苦しさを伝えたとしても、「みんな苦しいんだよ…」という感じに跳ねのけられるかもしれません。

 このように、精神障害者である当人は真剣に苦しんでいるのに、それが他人にわかってもらえないことがあるのです。

結果として、気持ちを発散させることができず、自傷行為に走ることがあるわけです。

子どもが自傷行為をしたらどうする?

 「自傷行為=生きるための行為・ストレス解消」とも言われています。

やはり、「生きるための行為・ストレス解消」なわけですから、自傷行為をとめるべきではないでしょう。

子どもが自傷行為をする場合、しっかりと傾聴して、寄り添う姿勢を持つことが大切です。

また、「子どもが自傷行為をするがどうすべきか?」と、主治医に相談もしてみてください。

ちなみに、子どもの自傷行為について、電話で相談できる窓口もあります。そのような窓口に相談しても、的確なアドバイスをもらえますよ。

まとめ

 精神障害が原因で、自傷行為をすることがあります。

特に、「どうにもならない」と感じられる問題が起きたとき、自分の苦しさをわかってもらいたいときに、自傷行為をすることがあります。

 ちなみに、自傷行為の方法は「リストカット」だけでなく、「自分の頭を叩く」「暴飲暴食する」など多岐に渡ります。

 子どもが自傷行為をしたら、とめるのではなく、寄り添い話を聞きましょう。

そして、主治医や電話窓口で相談をして、的確なアドバイスをもらうべきでしょう。