「泣くか癇癪を起こすかばかりで、どうしたらいいかわからない」
「子どもをちゃんと育てられるか不安だ」
とても悩んでいるお母さんへ「療育」をおすすめします。
療育は発達障害だから受けるのではなく、お子さんがこれから生きやすくなるために支援するところです。
療育を早い段階に受けることで、お子さんの生きやすさだけでなく、お母さんの心も軽くなります。
そんな療育とはなにか、どういったことをするのかなどの療育方法、療育はどこで受けられるのかを説明していきます。
療育とは
療育とは、発達に遅れや課題のあるお子さんに個別の支援をし、自立生活や社会参加をしやすくすることを言います。
一人一人発達のスピードに違いがあるため、放課後等デイサービスや地域の療育センターでは、お子さんの様子や保護者の方へのヒアリング(アセスメント)を十分におこなった上で、その子にどういった課題があり、どうやって支援していくかを専門の職員が判断します。
療育は治すのではなく伸ばす教育
療育は、子どもの特性を治すものではなく、特性との上手な付き合い方や、コミュニケーションスキルを伸ばしたり、社会のルールやマナーを教えたりします。
また、家族やまわりの人にも、お子さんとの適切なかかわりかたを教えてくれるので、「子育てを助ける」という役割ももっています。
療育の内容とは?
未就学児の療育には集団療育と個別療育があります。
集団療育では、同じぐらいの年齢の子どもが数人と、一人の先生とで療育をおこないます。
個別療育では、先生とマンツーマンです。
施設によって、そのスタイルが少しちがいますので、お子さんに合った療育施設を選びましょう。
自閉特性のあるお子さんは、どこでも最初は個別療育からスタートします。
苦手なことを克服する
療育をはじめるときは、「今できないこと」「今できること」「できるようになること」を紙に書き、必ず目標を決めておくといいです。
たとえば、自閉特性がある子であれば「自分の気持ちを言葉で伝える」。
目標の決め方は具体的でかつ、スモールステップです。
そして半年に1度見直し、「今できること」を少しずつ増やしていきます。
療法としては、TEACCH、感覚統合療法、ABA(応用行動分析)、PECSなどがあります。
その他、放課後等デイサービスなどでは日常生活での動作を学ぶライフスキルトレーニング(LST)や社会性を身に付ける方法としてソーシャルスキルトレーニング(SST)などもあります。
どの療法がスゴイ!効果的!ということはないので、お子さんの特性にあった療法を選ぶことが最適です。
それぞれの両方について知りたい方は以下のリンクを参考にしてください。
感覚統合に関しては運動療育型放課後等デイサービスの記事に記載してあります。
ゲーム形式で楽しく学ぶ
療育に通うお子さんは療育施設へ喜んで行くことが多いです。
その子に適切なかかわりかたをしてくれるスタッフがいることはもちろん、お子さんに教えたいコミュニケーション、マナーやルールをゲーム形式で楽しく教えるからです。
スタッフと一緒に絵を描いたり、折り紙をしたりします。
子どもがわからないことも遊びに取り入れて、「どうやってできるの?」と聞くようにします。
子どもができたことに、「すごいね!」とポジティブなほめ言葉を多くかけるので、お子さんも安心していられます。
たとえば、じゃんけんゲームがあります。
先生が一人じゃんけんをして、子どもに「勝ったのはどっち?」と聞きます。
お子さんはグーやパーと答えます。
楽しい気持ちのまま、自然と言葉を発するようにうながすのです。
家族もお子さんについて学ぶことができる
療育をおこなっている間、親は別室で、子どもの様子をモニター越しに見ることができます。
モニタールームでは、家族だけでお子さんを見るスペースや、モニターが何台かあって、療育を受けさせている別の家族のかたと一緒に、それぞれ、お子さんを見るスペースがあります。
そこで、同じ障害をもつ親同士の交流ができたり、悩みを共有することができたりします。
療育のあとは、スタッフが今日おこなったことや、お子さんの特性についてなどを話します。
そうすることで、お子さんへの理解が深まり、適切な関わり方を家族も学ぶことができます。
育児で悩んでいることを相談すれば、正しいアドバイスを受けることも可能です。
実際、療育に通ったことで、「心が軽くなった」「子どものことがよくわかるようになった」と育児に前向きになれるようになったお母さんが多いです。
どうにもならない悩みを一人抱えるより、こういった施設を利用してみてはいかがでしょうか。
ライフスキルトレーニング
小学校に上がると、集団生活や学校での勉強が始まるようになります。
発達障害を抱える小学校低学年のお子さんの保護者で多い困りごとは、
・学校の支度ができない
・片付けができない
・授業に集中できない
・友達とのやりとりが苦手または輪に入れない
・行動の中でルールが守れない
などです。
これらに共通することとして、お子さんの「ライフスキル(生活スキル)」が大きく関係していると思われます。
ライフスキルとは、その名の通り生きるために必要な能力の訓練で、自己管理や金銭管理なども含めた将来一人で生きていくためのトレーニングです。
自己管理や金銭管理だけでなく、身だしなみや自分で外出することなどの日常生活全般に関わるスキルのことです。
こうしたライフスキルは「生活していくうちに自然に身に付いてくるもの」と思われがちですが、発達障害のあるお子さんが自然習得していくのは難しいことも多くあります。
こうした配慮やライフスキルの習得がされないままの状態ですと、高学年になった辺りから周りとの違いや自分の欠点から自己肯定感の低下によるうつ病などの二次障害を引き起こしてしまうことも珍しくありません。
特にライフスキルは、これから社会生活を送る上で、コミュニケーションを含めた社会性や学習、将来的に働くことの土台となります。
逆に言えばライフスキルを習得していなければ、いくらコミュニケーションや学習、就労の訓練をおこなっても、土台ができていないためなかなか結果に結びつかないケースもあります。
これらはお子さんが高学年・中学生・高校生・社会人と成長していく過程で必ず習得していかなければいけないことであり、同時につまずきやすいところでもあります。
こうしたライフスキルを習得する方法として「ライフスキルトレーニング」という発達障害のお子さん向けの療育方法があります。
ライフスキルトレーニングに関しては下記の記事に詳しく解説しています。
療育を受けるには?
市町村の福祉担当窓口や保育、児童課または発達障害支援センターに行けば、地域の療育施設を紹介してもらえると思います。
発達障害の検査の待ち期間が長く、まだ診断を受けていない人でも大丈夫です。
その場合は、とりあえず療育をスタートし、診断名がつくと別の療法に変えるなどして対応します。
そのため、発達障害かもしれないと本気で悩んでいるなら、まずは相談してみましょう。
その他にも、未就学のお子さんであれば児童発達支援の事業所、就学のお子さんであれば放課後等デイサービスで療育をおこなっていますので、お住いの児童発達支援・放課後等デイサービスに見学に行ってみるのもいいかもしれません。
放課後等デイサービスや児童発達支援については下記のリンクで説明していますので、参考にしていただければと思います。
まとめ
療育とは、子どもの特性をカバーして子ども自身が生きやすくすること、子育てを助けることです。
お子さんを発達障害と認めたくない、診断名をつけられたくないという気持ちもあるかもしれまん。
けれど、今苦しいか、おそらくこれからずっと苦しみ続けるか、どちらかになるでしょう。
療育を早い段階ですればするほど、お子さんは生きやすくなり、ご家族も悩みから抜け出すことができます。
ぜひ、お住まいの近くの療育施設を調べてみてください。
赤ちゃん~学童期 発達障害の子どもの心がわかる本(主婦の友社)
発達障害の子どもの心と行動がわかる本(田中康雄)
放課後等デイサービスでは、「お子さんのできることを増やす」というコンセプトで様々な療育プログラムを展開しています。
10人中9人が満足する療育プログラム
Polaris(ポラリス)教室では、お子さんの発達課題に合わせたプログラムをご用意します。
早期からの療育でお子さんの将来のできることを増やしませんか?
Polaris(ポラリス)教室でお子さんの課題に合った支援方法を一緒に探しましょう。