この記事は、保護者の方に向けて、お子さんとお家でできる遊びの方法をご紹介します。

6歳~12歳のお子さんに向けた、お家でできる遊びを3つご紹介します。

お子さんと一緒に楽しみながら、発達障害の困りごとを改善する遊びです。

姿勢を改善したり、多動をへらしたり、過敏または鈍い触覚を整えたりします。

今回ご紹介するのは、つぎのものです。

①トランポリン

②回転いす

③手探りゲーム

やり方・工夫や注意点を順番にご説明します。

トランポリン

もっとも手軽でおすすめなのが、トランポリンで一緒に遊ぶことです。

簡単なうえ、さまざまな効果が期待できます。

・姿勢の改善

・多動がへる

・リズム感が育つ

・眼球運動の改善

トランポリンを始める前に、お子さんの腕のかたちや腰のあたり、着地点のぶれ具合をチェックしてください。

背筋がピンと伸ばせなくてふにゃっとしている子は、ジャンプするたびに腕がタコ踊りしやすいです。

また姿勢がくずれやすい子は腰が後ろに引けてへっぴり腰になりがちです。

姿勢の中心軸が整っていない子は、連続で跳ぶと着地点がずれていきます。

足のいくつぶんブレているか確認しましょう。

トランポリンで大切なのは、正しい姿勢になる瞬間です。

お子さんの姿勢をよく見ながらおこないます。

トランポリンのやり方

①お子さんをトランポリンの中央に立たせます。

テープなどで印をつけるとわかりやすいです。

つぎにお子さんの脇に手を添えます。

お子さんの姿勢がくずれて前のめりになっているときもあるので、トランポリンの中央と、脇に添えた手の位置が合うようにしましょう。

②子どもが自分からジャンプします。

ジャンプするなかで、子どもの姿勢、腰など軸がまっすぐになるときがあります。

その瞬間を見計らって、脇に添えた手に少し力を加えて、上下の動きに合わせて放り上げます。

子どもが自分で跳ぶより1.5倍~2倍ほど高く放り上げましょう。

大人は膝を曲げて、体感をまっすぐにして腰痛予防を。

効果を出すには、100回ジャンプ(約10分間)する必要があります。

大変なときは2回、3回に分けても大丈夫です。

これを登校前にすると、午前中の授業を受ける姿勢が変わりますよ。

工夫①下に力を加える方法もある

上方向に放り上げるジャンプで姿勢が伸びてきたら、下方向に力を加えるのもよいでしょう。

姿勢を保つために、お子さんの全身に力が入ります。

工夫②タンバリンやバランスボールも使用する

子どもが補助なしでも、あまりブレずに跳べるようになってきたら、タンバリンやバランスボールなどを使用します。

お子さんが跳んでいた高さよりも少し高い位置に持ちます。

タンバリンをタッチして鳴らしたり、バランスボールを落としたりすれば「勝ち」といったゲームをしましょう。

より高く跳びたいと思うと体が伸びて、背筋がまっすぐになります。

工夫③リズム感を育てる・眼球運動の改善

2拍子や3拍子などリズムに合わせて高く跳ばせると、リズム感が育ちます。

またテレビを見ながらトランポリンをすると、上下の揺れのなかでテレビを見ようとするので、眼球運動の改善に効果的です。

眼球運動が改善すると文章が読みやすくなったり、板書を書き写すスピードが速くなったりするので、集中力アップにもつながりますよ。

回転イス

回転イスは回転刺激を用いた遊びです。

トランポリンのようにさまざまな効果が期待できますが、とくに眼球運動の発達を促しやすい遊びです。

・多動がへる

・眼球運動の改善

パソコンチェアなど回転できるイスを用意します。

回転の勢いで落ちないように膝掛けがついているイスを選びましょう。

回転イスのやり方

①車輪は外すかテープで固定する

イス自体が動いて事故にならないように、車輪は外すかテープで床に固定しましょう。

じゅうたんの上など滑りにくいところだとさらに良いです。

お子さんが落ちないように後ろ向きに座らせて、イスの背もたれをつかませます。

このとき、しっかりイスの中央にお尻をつけて、回転軸とお子さんの背筋が一致するようにしましょう。

②左回り、右回りと回転方向を変える

コツは、速く、左回り右回りと数回ずつランダムに回すことです。

強く激しい感覚情報(視覚など)によって脳の活動性が高まります。

これは「ジェットコースター効果」というものです。

同じ方向に回り続けると酔うので、必ず左右ランダムに。

この遊びの注意点は、「子どもの表情やしぐさに気をつけること」

もとからバランス感覚が鈍いので、回されても真顔だったりします。

最初から真顔、または笑顔になったら、続けてOKサイン。

笑顔から真顔になったり、生あくびが出たりしたら気持ち悪くなっているかもしれません。

いったん止めて、続けるかどうか確認を。

咳払いが出るとNGサイン。

嘔吐の直前であることが多いので、すぐに降ろして様子を見ましょう。

工夫①回転まとあてゲーム

回さないで、子どもを回転イスに乗せたまま、的あてやボールを投げてシュートします。

目標を目で追うことで、眼球運動を改善します。

工夫②字あてゲーム

1人が子どものイスを回転させます。

もう1人はお子さんに、お子さんがよく間違う字を書いたボードを見せます。

「何の字だった?」と聞き、字を当てさせる遊びです。

眼球の動きがよくなり、読み間違いや読み飛ばしが多い子も上手に読めるようになります。

手探りゲーム

手探りで物に触れることで、過敏または鈍い触覚を整える遊びです。

・手元に注意する

・手先が器用になる

洗濯ネットや袋、おもちゃなどを用意しましょう。

手探りゲームのやり方

①洗濯ネットなどをつかって、網目から少しだけ中が見えるようにします。

「手元を見ているほうが正解を出しやすい」という経験が大事です。

手元をよく見る力が身につきます。

②徐々に難易度を上げていって、洗濯ネットを数枚重ねて見えにくくしましょう。

さらに見えない袋をつかうと触覚を整えるのに役立ちます。

工夫①手さぐりで形や文字を当てる

見えない袋の中に、文字や形がわかるものを入れて、何が入っているか当てる遊びです。

モコモコペンを使用すると簡単です。

モコモコペンはボードなどに線を書いてから温めると、線にそってモコモコとふくらむ手芸用のペンです。

モコモコをなぞって文字を当てることができます。

または台紙とサンドペーパーを使って自作しましょう。

サンドペーパーを〇や□、☆などのかたちに切って台紙に貼ります。

子どもが好きなおもちゃを入れて、かたちで何なのか当てさせるのも良いですよ。

工夫②袋の中で組み立てる

外から見えない袋の中に、組み立てられるブロックをいれます。

出来上がっている見本のブロックを見ながら、袋の中に入っているブロックを手探りで組み立てます。

触覚を整えるほか、手先の器用さが上がる遊びです。

まとめ

発達障害によく見られる「姿勢のくずれ」や「多動」「触覚の過敏・鈍さ」に対応する遊びを3つご紹介しました。

①トランポリン

②回転イス

③手探りゲーム

おこなうときは、お子さんが楽しんでいるかどうか、事故などにも気をつけてください。

参考書籍

6~12歳・発達が気になる子を理解して上手に育てる本
「小学校で困ること」を減らす親子遊び10
木村順・監修 /小学館