お子さんの問題行動に困っているときや、お子さんの能力を伸ばしたいときにすべき「療育」。

療育は早ければ早いほど効果があるといわれており、焦っているお母さんも多いのではないでしょうか。

今はコロナの影響があったり、療育施設の待ち時間が数か月もあったりして、困ってしまいますね。

そんな悩みを解決するため、この記事では家でできる療育やメリット、方法をご紹介します。

お家で療育をするメリット

専門的な機関はお子さんの特性をしっかり理解して、お子さんに合った療育をしてくれるので、効果があらわれやすいでしょう。

しかし、家で療育をするのはまったく効果がないのか?といわれると、ちがいます。
お家で療育をするメリットを見てみましょう。

親とのスキンシップが多くなる

先生がどれだけ素晴らしくても、子どもにとっては親の言葉や親からのスキンシップが一番です。

また親も療育を通して、子どもとスキンシップをとることで、子どもへの理解が深まるでしょう。

兄弟の理解をうながすこともできる

お子さんが療育施設に行っているあいだ、兄弟を参加させられるところもありますが、ほとんどは発達障害のお子さんのみ受けているでしょう。

そして家でも同じく、発達障害のお子さんにかまいがち。

兄弟はいつもどこかに連れて行ってもらっていると思ったり、かまってもらってばかりでうらやましいと感じているかもしれません。

そのため家で療育を兄弟と一緒におこなったり、療育している場面を見せたりすると、兄弟の発達障害の理解が深まり、家族の仲も深まるでしょう。

さらに療育のおかげで、兄弟の能力も伸びるかもしれません。

毎日続けて療育ができる

療育施設は毎日ではなく、多くが1週間に複数回といったかたちですね。

療育施設に毎日お願いすれば、かなりの料金になってしまいます。

家ならコストがかからず、いつでも毎日続けて療育ができます。

子どもの調子や発達に合わせて課題を変えられる

療育施設ではお子さんのことをよく調べたあと、プログラムを作成し、プログラム通りに進行していきます。

もしプログラムがうまくいかなかった場合、再び調査に戻り、プログラムを作成し、すすめるという流れになっています。

家でする療育はこれほど厳密に決めなくてもよいので、お子さんの調子や発達に合わせて、柔軟に内容を変えられます。

さまざまなメリットがある

このほかにも、さまざまなメリットがあります。

施設に通う移動の手間や時間、お金もそれほどかからず、親子のスキンシップをふやすことができる。

療育施設に通うことができない、近くに療育施設がない、と困っているなら、おお家での療育をおすすめします。

日常生活で楽しみながらできる療育

療育とは、子どもが生きやすくなるように能力を高めたり、子どもをいろいろな面から支えたりすることを指します。

まず、兄弟も一緒におこなうことができ、楽しみながらできる療育をご紹介します。

家のお手伝いをしてもらう

家のお手伝いは、成功体験をつくり、自己肯定感を高めるのに欠かせません。

お手伝いのコツは簡単なお願いからすることです。

朝起きたらカーテンを開ける、「○○をとって」というのも良いです。

出来は悪くてもお手伝いが成功したら、しっかりほめたり、お菓子などごほうびをあたえたりしましょう。

「自分にもできた!」「ほめられた!」という体験を増やすことが大事です。

一緒にものをつくる

簡単なお手伝いができてきたら、簡単なものを一緒につくりましょう。

料理で「具材をまぜる係」や「盛り付け係」といって、お子さんに役割をもたせることが大事です。

自分の役割をしっかりこなし、望み通りのものができたという体験が社会性を育ててくれます。

運動をとりいれる

多動が目立ってしまう子や、背筋をまっすぐに伸ばせない子などには、トランポリン運動が効果的です。発達障害のお子さんに幅広く効果がある遊びです。

トランポリンで一緒に遊んだり、そのほか運動をしたりして、楽しみながら体の感覚を刺激してあげましょう。

(⇒くわしくは別記事をご参考ください。「【ステイホーム】トランポリンが発達支援に良い4つの理由と3つの遊び方」

家でできる心理療法…ABA(応用行動分析)

お家でできる療育を探すとき、たくさんの親に選ばれている心理療法が、ABA(応用行動分析)。

子どもの「好ましい行動」を増やし、「好ましくない行動」をへらすというもの。

誰でも、望み通りの結果が得られたり、まわりにほめられたりすることであれば、続けたいと思いますよね。

逆に、無視されるなど何も反応がないと、やめたくなります。

ABAでは、こういった心理を利用します。

好ましい行動をふやすために

①子どもにとってイヤなことが起きた
(いつもとちがう環境になった、ほしいものが手に入らなかったなど)

②子どもがかんしゃくなど問題行動を起こさなかった(望ましい行動)

③我慢できたことをすぐにほめたり、ごほうびをあたえたりする

好ましくない行動をへらすために

①嫌なことが起きたあと、子どもがかんしゃくなど問題行動を起こした

②かんしゃくなど問題行動を無視する

問題行動を起こしたあと、望み通りの結果は得られないことを教えて、好ましくない行動を「消去」します。

好ましい反応をしたときは、しっかりほめたり、ごほうびをあたえたりして、行動を「強化」しましょう。

まとめ

家でできる療育は親子のスキンシップをふやしたり、家族の仲を深めたり、毎日続けておこなうことができるなど、たくさんのメリットがあります。

「療育施設ほど効果がある」とはいえないかもしれません。

しかしお子さんが長い時間を過ごす「家」での療育が欠けていると、効果は半減してしまうでしょう。

長い目で見ると、お家での療育はお子さんの将来のためになります。

この記事を参考にして、ぜひお家での療育を始めてみてください。

参考書籍・参考サイト

・書籍
発達障害の子どもの心と行動がわかる本
田中康雄・監修/西東社・出版

・サイト
40人の先輩パパママに訊く!家庭療育ホントんとこ

楽々かあさん:家庭療育