Polaris教室(ポラリス)は愛知県豊田市で発達障害の子どもを対象にした放課後等デイサービス事業所です。
お子さんの課題に合わせたプログラムと環境によりお子さんのできることを増やすサポートをしています。
今回は、Polaris教室(ポラリス)で実際に行っているプログラム「ライフスキルトレーニング」を詳しくご説明したいと思います。
このプログラムはお子さんの生活能力を育む目的として、独自にアレンジをしております。
このライフスキルトレーニングのプログラムを得て身に着けた生活スキルを日常生活で活かすことで、お子さんの将来的な自立生活に繋げていきたいと考えております。
ライフスキルトレーニングとは
元々、ライフスキルトレーニングのライフスキルとは、 1997年にWHO(世界保健機関)が学生のために作った「より学生が日常生活を送るにあたって必要になってくる10項目のスキル」です。
①意志スキル
②問題解決スキル
③創造的思考
④批判的思考
⑤コミュニケーションスキル
⑥対人関係スキル
⑦自己認知
⑧共感的理解
⑨情動に対処するスキル
⑩ストレスに対処するスキル
これは、学生が身の回りの事や交友関係などで必要になっていることを学べようになっています。
このWHOが定めたライフスキルを習得するプログラムがライフスキルトレーニングなのですが、このWHOが定めた10項目は発達障害のお子さんにとって難しく習得しにくいことが課題としてあります。
そのため、Polaris(ポラリス)教室の療育現場で実際におこなっているライフスキルトレーニングは、 この10項目のうち発達障害のお子さんが生活していくうえで最低限必要になるスキルを厳選し、さらに細分化しており、小学生から高校生まで取り組みやすいようになっています。
ライフスキルトレーニングの必要性
ライフスキルは、日常生活の基盤となるもので、学力や運動能力、ソーシャルスキルなどをどれだけ身に着けても、生活習慣や生活リズムが乱れていては、能力を十分に発揮することはできません。
そのため、小学生からライフスキルを学びはじめることが重要だと考えられています。
また、ライフスキルの不足によって起こるつまずきには、年齢があがるにつれてトラブルが大きくなっていきます。
小学生卒業までは、家族のフォローもあり、さほど問題になることもありませんが、思春期に入る中学生ごろからひとりの活動が増える事もあり、衣食住や金銭など生活面のトラブルにあいやすくなります。
社会人になると、こうしたつまずきが離職や鬱病など心身の不調からくる二次障害に繋がります。
そのため、高校生までにライフスキルトレーニングを習得することが非常に望ましいです。
ポラリスでは、小学生向けに基礎的なライフスキルトレーニングを実施しております。
発達障害のお子さんの特性とライフスキルのお困りごと
発達障害のお子さんが生活上の困難を感じていても、それが理解されにくいことがあるのでそれぞれの特性を理解したうえで必要な支援をおこなう必要があります。
あくまで発達障害の特性の傾向になりますので、お子さん1人1人で違う部分もあります。
発達障害の特性は以下のようになります。
ADHD 注意欠如・多動症
「不注意」「多動性」「衝動性」の特性があり、発想力や行動力は高い人が多いです。
生活面では「身だしなみ」「住まい」「金銭管理」「外出」の悩みがとくに多いです。
ASD 自閉症スペクトラム症。
「対人関係の困難」「こだわりの強さ」が主な特性です。
記憶力や集中力は高い人が多いです。
生活面では「身だしなみ」「健康管理」「対人関係」「余暇」「地域参加」の悩みがとくに多いです。
SLD(LD) 限局性学習症。
「読み書き」や「計算」を苦手とする特性が、学習面以外に得意分野があります。
生活面では「進路選択」「金銭管理」「法的な問題」の悩みがとくに多いです。
しかし、一般論にとらわれず子ども一人ひとりの特性を適切に理解して適切な支援をすることで、ライフスキルも身につきやすくなります。
ポラリス教室では 、お子さんの日ごろの様子や保護者様とのアセスメントを通してお子さん1人ひとりにフォーカスした支援を心掛けています。
ポラリス教室 10種類のライフスキルトレーニング
ポラリス教室では、 発達障害のお子さん向けのライフスキルプログラムを10項目の目標設定をしています。
大きく分けると、「衣食住を保つためのライフスキル」と「地域で活動するためのライフスキル」の2種類があり、以下のようになります。
衣食住を保つためのライフスキル
子どもが将来、ひとり暮らしをすることをイメージし、その時に必要となるスキルを子どものうちから身につけていきます。
具体的には事業所ないでスタッフが講義をしたり、お買い物練習を通した座学形式または実践形式スキルトレーニングです。
1、身だしなみ
2、健康管理
3、住まい
4、金銭管理
5、進路選択
地域で活動するためのライフスキル
生活のスキルだけでなく、学校までの移動、人間関係づくり、余暇を過ごすことや地域参加も大切です。
また、家庭外で大きなトラブルが起こると法的な問題になることもあるので、その対策にも取り組んでいきます。
具体的にはお出かけを通した公共交通機関の利用トレーニングや、不審者対応や避難訓練のロールプレイなど、楽しく学べるプログラムがあります。
6、外出
7、対人関係
8、余暇
9、地域参加
10、法的な問題
ライフスキル・トレーニングでは、子どもに生活習慣の内容を教え、実践を促して習得をめざしていきます。
得意なことは積極的にトレーニングをして、苦手なことは適度にサポートをします。
よりわかりやすい説明を心がけ、時には手を貸し、スキル習得をめざすことが大切です。
トレーニングの効果
ライフスキルトレーニングを実践し、お子さんに実感しながら自己理解を深めていただきます。
ライフスキルが身につけば、生活は安定し、生活上の困難やストレスも軽減し、それがが減ることで、ものごとに意欲的に取り組み、本来の能力を発揮できるようになります。
もちろん、トレーニングをしてもなかなか身につかないこともあります。
そういう時にはサポートを増やし、自分ひとりで解決しようとせず、人を頼るということも伝えていきます。
また、独自に開発した評価表を活用することで、お子さんのライフスキルを「見える化」し、保護者様にも分かりやすい形でフィードバックいたします。
まとめ
こうしたライフスキルトレーニングを通して、お子さんの将来へのつまずきをなくすことや自己理解を深めて将来のできることを増やしていきます。
個々に特性が異なる分、保護者様と連携しながら手厚い配慮でライフスキルの習得に繋げていきます。