放課後等デイサービスが始まった当初は、どこの事業所も子どもを預かって遊びや居場所の提供をすることに重点が置かれていました。

しかし最近では就労準備型や運動療育型、生活能力特化型の放課後等デイサービスなどの様々な療育方法や、育成スキルに特化したコンテンツ型の施設が増えてきており、事業所ごとの特色がかなり違ってきます。

今回はその中の一つ、学習特化型放課後等デイサービスについて説明していきたいと思います。

学習特化型放課後等デイサービスとは

学習特化型放課後等デイサービスとは、学習支援に療育の重点を置いた放課後等デイサービスで、家庭や学校ではなかなかできない基本的な学習や学習習慣の付け方、学校の勉強における補修的な役割を果たしています。

療育内容の学習支援について

基本的には発達に遅れがあったり、学習障害やグレーゾーンの勉強が苦手で、学習面で学校生活の中に生き辛さを感じているお子さんたちが対象になります。

個別または集団形式で基礎学習を行い、個人の理解度や学力に合わせて教材を変えたり学習方法にアレンジを加えたりなどの、塾にはないお子さんの特性にフォーカスした学習支援方法が主流です。

どうしても障害があるお子さんは、勉強についていくのが苦手な場合が多く宿題が提出できなかったり、そもそも学習自体に集中することが難しかったり、学習障害(LD)で板書が上手く取れなかったり字が上手に書けなかったり、感覚過敏等で学校の大人数いる環境では学習に身が入らなかったりと学校の学習において多くの困難が生じます。

その子たちが分かりやすいような教え方や教材の準備、スタッフの熟練度を求めると、どうしても通常の学習塾には難しいものがあります。

そのため放課後等デイサービスの時間を利用し、宿題をしながらわからないところをスタッフがその子に合わせた指導をし、学校の授業の復習指導をしてくれるところや、進学したい進路に合わせたカリキュラムや受験対策をしてくれるところもあります。

もちろん学習特化型放課後等デイサービスの魅力として支援方法だけではなく、落ち着いて学習ができる環境作りへの配慮もあります。

どうやって放課後等デイサービスを選べばいいの?

もちろん学習特化型放課後等デイサービスでも事業所によって内容が変わってくるため、学習のクラスがあるのか、宿題以外の勉強を指導してもらえるのかなどを事前に見学などを通してよく確認しておきましょう。

支援方法が合わなくて学習が嫌いになってしまったら元も子もありませんので、お子さんが落ち着いて学べる環境であるのか保護者がしっかりと確認する必要があります。

事業所選びで事前に確認しておきたいこと

・学習のカリキュラムはあるのか。

・学習のクラスについて(集団または個別)。

・学校の宿題の内容を見てくれるのか。

・独自に配慮したテキストを用意しているのか。

・学習する事業所の環境や雰囲気はどうか。

・支援スタッフの指導力はどうか。

・学校との連携はとれているのか。

上記の点が事業所選びにおいて重要になってくるかと思います。

また、アセスメントでお子さんの学習での困りごとや進路についてしっかりと親身になって相談に乗ってもらえるかどうかも大切です。

お子さんの現状での学習における力や進路希望などを把握しておきましょう。

まとめ

学習特化型放課後等デイサービスはお子さんの学校での学習や基礎的な学習において不足している部分を補ってくれる、いわば塾や予備校のような放課後等デイサービスです。

しかし、障害や発達に遅れのあるお子さんへの学習指導は指導方法から使用するテキストまで細かな配慮が必要であることや、1人1人の理解力や学力が全く違うことなど、個別に合わせた指導が必要で、それは通常の塾や予備校ではなかなかできないことです。

大切なのは、お子さんに勉強が嫌いでなくなる工夫をいかにしておこない、お子さんの可能性をどう広げていくかだと思います。