知的障害や発達障害、精神障害により正常な判断能力に欠ける方々の自立や親亡き後の生活において第三者が本人の代わりに財産の管理や福祉サービス利用の契約手続きなどをおこなう「成年後見制度」というものがあります。

まだまだ認知の少ない制度ですが、障害を抱えた若い方々やその保護者の方々にとって非常に重要な制度であり、相談ができるところも多くはありません。

そのような中で、「成年後見支援センター」という成年後見制度専門の相談窓口が設置されている地域が増えて来ました。

申請に必要な書類に関してや関係機関との連携などを相談することができる非常に頼れる窓口です。

成年後見支援センターとは

成年後見支援センターとは、まだまだ認知が少ない成年後見制度の利用推進や利用者または後見人の相談を受け、裁判所やその他医療施設や福祉施設などの関連施設と連携を取りながら制度利用を支援していく成年後見制度専門の相談支援機関です。

あまり馴染みがない施設かもしれませんが手続きや制度が複雑に見える成年後見制度において利用相談の一番の窓口になり、自身で申立手続きや後見人選びを行うよりも、しっかりと手厚い支援をしてくれるので安心して制度を利用することができます。

多くのセンターは市町村からの委託を受け社会福祉協議会や税理士会が運営していることが多く各地域にあります。

成年後見支援センター4つの役割

センターでは主に4つの業務があります。

・相談支援

・申立支援

・法人後見

・啓発

相談支援

相談支援とは制度を利用する人や後見人からの相談を受け、関連機関と連携して解決に向けての支援をする業務です。

本人や親族、ケアマネージャー等からの相談対応や成年後見制度の説明をおこないます。

事情により窓口に来られない方には自宅だけではなく施設や病院への訪問相談を行うこともあります。

また、法律的な問題に関しては弁護士や司法書士アドバイザーと連携して支援をしていきます。

もう一つの業務としてセンターが発端となる家族や関係機関を集めた「チーム会議」と言われる本人を含めた各機関の顔合わせの機会を作り現状確認や今後の支援方針、役割分担などを検討します。

人によって関係機関となかなか連携が取れなかったりコンタクトを取れていないケースがありますので非常に大切な会議になってきます。

申立支援

申立支援とは裁判所に申立を行う際の書類の書き方や内容確認などの支援です。

成年後見制度の申立には多くの必要書類や記入しなければいけない書類があり申請場所も普段足を運ぶことの少ない家庭裁判所なために不安を覚える方も少なくありません。

そうした方への書類の記入方法や必要書類の説明、提出前の記入内容の確認をしてくれます。

申立に必要な書類を一式渡して1つ1つ丁寧に説明してくれます。

また、市役所や裁判所と連携した会議を通して後見人の候補者の調節も行います。

法人後見

法人後見とは審議で該当した方にセンター自体が後見人になることです。

これは誰にでもなるというわけではなく法人後見人になる基準が記載してある法人後見受任ガイドラインに従い財産の関係や候補者や親族がいないなどの特定の事情がある人が受任調整会議で該当した場合に限ります。

もちろんこの受任調整会議も裁判所や市役所を含めての会議になり、最終決定権は裁判所にあります。

啓発

啓発とは成年後見制度の講座やイベントを開催し制度の理解と利用を促進すること。

一般の方や関係機関の方を対象に成年後見制度の説明会や講義、イベントを開催して認知アップをする業務です。

またセンターによってはエンディングノートの書き方講座などを開催し、移動講座として様々なところで行っているので気軽に参加できるものが多いです。

まとめ

成年後見支援センターはあまり知られることのない機関ではありますが成年後見制度に特化しているため、気軽に相談することができ親身になって受けてくれます。

また、裁判所を含め様々な機関と上手に連携してくれるため安心して申立手続きや制度を利用することが出来ます。

成年後見制度を利用するかどうかでお悩みの際はぜひ一度相談してみるといいかもしれません。