18歳になると、将来のことを本格的に考えなくてはいけませんね。
これからどのように生きていくか、障害者の自分が社会で生きていけるのか。
そのような不安にあわせて、18歳になってから受けられる障害福祉サービスも変わります。
障害をもつ人が18歳になってからするべき、生活にかかわる手続き、仕事にかかわる手続きをご紹介します。
生活に関する手続き
まず、生活に関するサービスや必要な手続きを見ていきましょう。
障害者手帳の取得は忘れずに
障害をもつ人が大人になってから、さまざまなサービスを受けるためには、障害者手帳をもっていることが大きな前提となります。
障害者手帳には「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神保健福祉手帳」があります。
18歳までは児童相談所などで更新の手続きや新規取得ができました。
しかし、18歳になると児童ではなくなり、手帳の書き換えが必要になります。
たとえば東京都の「愛の手帳」は18歳になったあと、判定日を予約して、再度判定してもらい、手帳を書き換えなければいけません。
18歳以降になると、とくに更新が重要となってきますので、忘れないように心がけてください。
障害者年金の申請にも、障害者手帳が必要です。
20歳になったら、障害者年金の申請をおこないましょう。
自立訓練を受けられる
18歳以降に受けられる障害福祉サービスに「自立訓練」があります。
自立訓練とは、自立した日常生活または社会生活ができるように、身体機能・生活能力の向上に必要な訓練をおこないます。
カリキュラムは18歳~35歳までの年齢を想定したものがほとんどです。お金の使い方や、あいさつと返事のし方、ビジネスマナーなど。
この自立訓練を受けるためには、「障害福祉サービス受給証」の手続きが必要となります。
仕事に関する手続き
仕事に関する福祉サービスや必要な手続きについてご案内します。
ハローワークに申請する
障害者枠で就職をしたいと考えているなら、ハローワークに申し込みに行きましょう。
障害者手帳をもっていないと、一般の就労しか紹介されませんのでご注意ください。
ハローワークでは、障害者専門窓口で求職申込をします。
障害者専門窓口には、障害に知識や理解のある職員や支援員がいるので安心です。
まずカウンセリングをして、障害の特性に合った仕事を探せるように支援してくれます。
ハローワークでの手続きは、ハローワークに行き、希望職種や賃金などを書いた「求職申込書」を記入・提出します。
そして、ハローワークカードを受け取ると利用が可能となります。
就労支援を受ける
18歳から受けられる障害福祉サービスのなかには、「就労支援」があります。
①就労継続支援A型、②就労継続支援B型、③就労移行支援、
それぞれのちがいを簡単にご説明します。
(くわしくは別記事をご覧ください。)
就労継続支援A型
対象は、雇用契約に基づいた勤務はできるけれど、一般企業への就職はむずかしい方です。
就労継続支援A型の大きな特徴は、事業所と雇用契約を結ぶことです。
そのため、給与も支払われます。
労働者として働きながら訓練を受け、知識や能力を身につけます。
就労継続支援B型
就労継続支援B型は、就労継続支援A型の仕事がむずかしい人や、年齢や体力により一般の企業で働くことがむずかしくなった人が対象です。
軽作業をしながら、訓練を受けます。
就労継続支援B型は事業所と雇用契約を結びません。
できたものにたいする成果報酬といったかたちで賃金が支払われます。
就労移行支援
事業所で訓練を受けながら、一般企業への就労を目指す人たちが対象です。
ほかのサービスとちがって利用できる期間が「2年」と決まっています。
このサービスでは、ビジネスマナーやコミュニケーションのトレーニング、履歴書の書き方まで、就職に重点を置いた支援を受けることができます。
さらに、職場探しや、職場に定着するためのサポートもおこなってくれます。
就労が不安な方は、自分ができること、やりたい仕事に合っている事業所を見つけておきましょう。
障害福祉サービスに必要な手続きの流れ
前述した自立訓練や、就労支援を利用するときは「障害福祉サービス受給証」が必要です。
この手続きの流れは以下になります。
①市の福祉課や障害支援センターへ相談します。そこで、受けたいサービスについて「支給申請書」を提出します。
②支給申請書が通ると、「サービス等利用計画依頼書」が交付されます。この依頼書を、指定特定相談支援事業所に提出します。
指定特定相談支援事業所は、サービスの利用をサポートしてくれる機関です。
③指定特定相談支援事業所と一緒に、「サービス等利用計画案」を作成します。
職員が自宅に訪問したりして、あなたの希望や支援してほしい内容を聞き取りしたあと、市に提出する「サービス利用計画案」を作成します。
このとき、市の担当者とも面接をおこなう日があります。
④サービス等利用計画案を市に提出します。
市はこの案を参考にして、「障害福祉サービス受給証」の交付を決定します。
なお、就労支援を利用する場合、仕事や支援内容が合わないことを防ぐため、一定期間、体験利用をさせます。
⑤個別支援計画を指定特定相談支援事業所が作成します。この個別支援計画を市が受理したら、障害福祉サービス受給証が正式に交付されます。
各自治体によってかわりますが、この手続きから交付まで、約1~2か月かかるとされています。
18歳になったら早めに申請の手続きをおこないましょう。
まとめ
18歳になったらおこなう大切な手続きは、以下になります。
①障害者手帳の更新
②ハローワークに登録する
③就労支援を受ける
④自立訓練を受ける
障害福祉サービスを受けるためには、障害者手帳が必要になること、また手続きに時間がかかるので、早め早めにおこないましょう。