「心療内科」と「精神科」という、似たような2つの言葉がありますね。

例えば、通うクリニックを探すときには、「心療内科と精神科は何が違うのか?」と、悩んでしまいがちです。

では、実際に「心療内科」と「精神科」は、何が違うのでしょうか。

精神科とは?

 「精神科」を簡単に説明するならば、「メンタルそのものを診察する科」と言ったところでしょう。

 例えば、「かなり緊張することがある」「憂うつ感が強い」「不眠が続く」というように、メンタルそのものを診察するのが「精神科」となるわけです。

 このように、メンタルそのものに関して困っている症状がある場合、受診する科としては、「精神科」が最も該当することになります。

心療内科とは?

 「心療内科」を簡単に説明するのなら、「心因的な原因で生じる体の不調を診察する科」と言ったところですね。

 例えば、「緊張すると吐き気を感じる」「憂うつ感が強くて頭痛がする」「不眠によってクラクラする」などという症状があるとします。

この場合、受診する科としては、「心療内科」が最も該当するわけです。

「精神科」と「心療内科」は同じ意味で使われる⁉

 「精神科」が「メンタルそのものを診察する科」である一方、「心療内科」は「心因的な原因で生じる体の不調を診察する科」なわけですね。

しかし、実際には「精神科」と「心療内科」は、同じ意味で使われることが多々あります。

例えば、「緊張すると吐き気を感じる」という症状で、あなたが心療内科に通っているとします。

そんな中で、福祉サービスを受けたくて保健所に行ったときに、「通院はされていますか?」と聞かれたとしましょう。

この場合、あなたが「精神科に通っています」と言っても、あまり問題はないのです。

「精神科と心療内科は違う科だが、実際に分けて考える人はあまりいない」という現実があるわけですね。

多くは「精神科・心療内科」と名乗っている

 「精神疾患を治療するクリニック」のほとんどは、「精神科・心療内科」と2つを名乗っています。

 例えば、「激しく緊張することが多く、ときに吐き気を感じる」という症状で悩んでいるとします。

この場合、「激しく緊張する」「吐き気を感じる」という症状が出ているため、受診する科としては、「精神科」「心療内科」のどちらにも該当すると考えることもできるわけです。

だからこそ、「精神科と心療内科のどっちを受診すればいいんだ?」と、悩んでしまうかもしれません。

しかし、実際には「精神科・心療内科」の2つを名乗るクリニックが、かなり多くあるわけです。

もし、「どっちを受診すればいいんだ?」と悩むのなら、「精神科・心療内科」の2つを名乗るクリニックに行けば安心でしょう。

内科メインのクリニックは「精神科」を名乗らないことも

 内科メインで診察をしているクリニックである場合、「精神科」を名乗らないことがあります。

このようなクリニックは、「内科・心療内科」などと名乗っていることが多いです。

もちろん病院にもよりけりですが あくまで内科がメインのため、「精神障害かな?」と思う場合は内科メインの所よりも「精神科・心療内科」のクリニックで受診をされることをお勧めいたします。

体の不調が酷いのなら、「内科」も受診しよう

 例えば、「緊張すると吐き気がして、実際に何度も嘔吐している」という症状で悩んでいるとします。

この場合、「何度も嘔吐している」という酷い不調に陥っているので、内科も受診すべきでしょう。

 もちろん、心療内科に行っても、「何度も嘔吐している」という症状を見てもらうことができます。

しかし、「内科」に行けば、より専門的な視点から、「何度も嘔吐している」という症状を見てもらえるのです。

 ただ、複数の病院を受診する場合、薬の飲み合わせに留意する必要がありますので、絶対にお薬手帳を活用するようにしてください。

まとめ

 「心因的な原因で生じる体の不調を診察する科」というのが、心療内科の簡単な説明になります。

一方で、「メンタルそのものを診察する科」というのが、精神科の簡単な説明になります。

ただ、「精神科」と「心療内科」は、同じような意味で使われることが多いです。

 ちなみに、精神病を治療するクリニックの多くは、「精神科・心療内科」と名乗っています。

もし、精神病を疑って受診をするのなら、このようなクリニックに行くべきでしょう。