投稿日:2021.02.05 最終更新日:2026.05.27
発達障害の子の「悪気のない暴言」とトラブルを防ぐSST実践法
「悪気なくお友だちに手を出してしまいトラブルになる」。
あるいは逆に、「優しすぎて嫌なことを『やめて』と言えず、一方的に我慢してしまっている」。
発達障害や知的障害のあるお子さんを育てている保護者の方から、こうした対人関係のご相談をよくいただきます。
現代は学校の先生も非常に多忙であり、学校内での細かいトラブルすべてに介入し、解決に導くことが難しい時代になってきています。
さらに、スマホやゲームの普及により、LINEのグループ外しや陰口など、大人の目の届かないSNS上の「見えないトラブル(いじめ)」も急増しています。
こうした時代の中で、子どもたちが将来社会に出て働き続けるためには、「相手の気持ちを想像して行動する力」と「自分を守るために『NO』と言う力」を、子どものうちから少しずつ身につけていけると安心ですね。
今回は、放課後等デイサービスポラリス教室の「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」を通して、これらのコミュニケーションの課題をどう改善していくのかをご紹介します。
目次
コミュニケーションの癖を直さないまま大人になると?
発達障害のお子さんは、相手の表情や気持ちを読み取ることが苦手なため、自分の発言や行動がお友だちを傷つけていることに「気づいていない(悪気がない)」ケースが多々あります。
このコミュニケーションの癖に気づかないまま大人になってしまうと、将来の就労において大きな壁にぶつかってしまいます。
1. 孤立し、良好な人間関係が築けない
悪気なく相手を否定するような暴言を吐いてしまったり、感情のコントロールができずに手を出してしまったりすると、周囲から人が離れていってしまいます。
青年期の友人関係はもちろん、職場で孤立してしまうと、仕事のモチベーションを保つことが非常に難しくなります。
2. 信頼を失い、仕事の能力が評価されない
これからの時代、企業では個人の能力を活かす「ジョブ型」の働き方が増えていくと言われています。
しかし、いくら仕事の生産性や技術力が高くても、同僚や顧客に対して感情的な態度をとってしまえば、一瞬で「信頼」を失います。
仕事は信頼関係で成り立っているため、信頼がない人には仕事が任されなくなり、結果的に職場で長く働き続けることが難しくなってしまうことがあります。
だからこそ、「自分の発言が相手にどう伝わるか」を子どものうちから学んでおくことが大切なのです。
悪気のない暴言を改善するためのアプローチ
では、感情の起伏が激しいお子さんや、相手の気持ちを想像するのが苦手なお子さんに対して、ご家庭や施設でできるアプローチをいくつかご紹介します。
1. 絵本や漫画、アニメで「心理描写」を疑似体験する
手軽にできる方法として、イラスト付きの読み物やアニメなどに触れることがおすすめです。
絵本や漫画には、登場人物の「嬉しい」「悲しい」「悔しい」といった感情がわかりやすく表現されています。
お話を通して他人の感情を「疑似体験(追体験)」することで、「自分がこんなことを言われたら、こんな気持ちになるんだな」という想像力を養うトレーニングになります。
2. スポーツなどの集団活動に参加する
身体を動かすことが好きで活発なお子さんの場合は、スポーツ活動に参加するのも良い方法です。
ルールや礼節を重んじる環境に身を置くことで、感情のコントロールや、相手を尊重する態度が自然と身につくこともあります。
3. 専門機関のソーシャルスキルトレーニング(SST)を活用する
家庭や学校だけでは改善が難しい場合は、専門的なトレーニングを取り入れるのが効果的です。
生活訓練・就労準備型の放課後等デイサービスポラリス教室では、以下のような具体的なSSTを行っています。
ポラリス教室のSST実践例:ルール作りと「NO」を言う練習
ポラリス教室のSSTでは、コミュニケーションのトラブルを防ぐために、非常に実践的な取り組みを行っています。
【事前のルール確認で未然に防ぐ】
子どもたちが集まる際、スタッフが一方的に注意するのではなく、全体に向けて「ルール」を徹底して確認します。
「暴力や悪口は言わないこと」「パーソナルスペース(相手と握手するくらいの距離感)を守ること」といったルールを毎回確認することで、悪気なく相手に踏み込みすぎてしまう癖を少しずつ矯正していきます。
【その場での声かけと「やめて」と言う練習】
もし活動中にお友だちとトラブルになりそうな場面があったら、スタッフがその時・その場で声をかけます。
そして、ポラリスが非常に大切にしているのが、嫌なことをされたお子さんにも「やめて」と自分の気持ちを伝える練習をしてもらうことです。
悪気なく手を出してしまうお子さんは、お友だちからハッキリと「やめて」と意思表示されて、初めて自分の行動が相手を傷つけていたことに気がつくケースが多いのです。
優しすぎて何でも我慢してしまうお子さんにとっても、「嫌なことは嫌だ」と伝える力は、将来、理不尽なトラブルに巻き込まれた際に自分自身を守るための大切な力に繋がっていきます。
まとめ:自己理解を深め、自分も相手も大切にするコミュニケーションを
お子さんに「自分のコミュニケーションの癖」を自覚してもらうことは、SSTの中でも非常に重要な「自己理解」のステップです。
自分がどんな時に怒りやすいのか、どんな言葉を使うと相手が悲しむのか。
この自己理解が深まることで、お子さんは自分で感情をコントロールし、適切な行動を選べるようになっていきます。
子どものうちから「どこまでが許容される範囲なのか」「相手にどう伝えればいいのか」を学んでおくことで、将来の生きやすさは劇的に変わります。
コミュニケーションの癖や対人トラブルでお悩みの際は、ぜひ放課後等デイサービスポラリス教室にご相談ください。
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