投稿日:2020.04.03 最終更新日:2026.05.27
発達障害の子の働く力を育む。ポラリスのソーシャルスキルトレーニング(SST)
「お友達とすぐトラブルになってしまう」「自分の気持ちを上手く言葉にできない」「将来、職場で人間関係を築けるか心配」。
発達障害や知的障害のあるお子さんを育てている保護者の方から、対人関係(コミュニケーション)についてのご相談を多くいただきます。
学校の勉強とは違い、人との関わり方や社会のルールは「自然に身につくもの」と思われがちです。
しかし、発達障害のあるお子さんは、相手の表情やその場の空気を読み取ることが苦手な場合が多く、具体的な「コミュニケーションのコツ」を練習する場が必要です。
今回は、放課後等デイサービスポラリス教室の目玉プログラムである「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」について、将来の就労(自立)に向けた取り組みを詳しくご紹介します。
著者プロフィール目次
ポラリスが考える、SSTの「4つの柱」
ポラリス教室では、将来の就労や自立に向けて「人との関わり」が最も重要だと考えています。
そのため、私たちのSSTは単なる友達づくりの練習にとどまらず、以下の「4つの柱」を軸にプログラムを構成しています。
1. コミュニケーションで使うスキル
「相手の気持ちを想像する」「自分の気持ちを上手く伝える」ための基礎です。
「こんな時、相手はどう思うかな?」と具体的な場面を設定し、言葉や表情での伝え方を練習します。
2. 仕事で使うスキル(JST:ジョブスキルトレーニング)
将来のキャリアを見据え、同僚や上司、顧客と関わるためのビジネスマナーを学びます。
実際に本物の履歴書を書いてみたり、面接の疑似体験を行ったり、働き方の基礎(初日編)を座学と実践で学びます。
3. 人と関わる中で「自分」を知るスキル(自己理解)
自分の怒りやイライラと上手く付き合うための「アンガーマネジメント」などを通して、自分の感情の癖を知り、コントロールする方法を学びます。
4. 生きていく中での「トラブルやルール」を知るスキル
現代の社会生活で避けては通れないトラブルから自分を守る方法です。
例えば、スマホやゲームでの「SNSの危険な取り扱い」についての意見交換や、LINE外しや陰口といった「間接的ないじめ」の加害者にも被害者にもならないための対応、助け(SOS)の呼び方を学びます。
「楽しい!」から身につく!ポラリス流SSTの流れ
SSTは「強制されて参加しても全く効果がない」という特徴があります。
本人が「参加してみたいな」と思い、実際にやってみて「上手くできた!褒められた!」という成功体験を積むことで初めて、日常生活でも使えるスキルになります。
そのため、ポラリス教室では子どもたちが自己肯定感を高めながら楽しく学べるよう、緻密なステップを踏んでいます。
ステップ1:ウォーミングアップ(緊張をほぐす)
まずは伝言ゲームなどの楽しいゲーム(アイスブレイク)を行い、発言しやすい雰囲気を作ります。
遊びのようですが、実は「声の大きさを調節する」「パーソナルスペースを考える」などのスキルが隠されています。
ステップ2:ルールの確認と「動機づけ」
参加者全員で「答えたくない時はパスでOK」「人の意見を否定しない」といったルールを確認します。
そして、「このスキルを身につけると、こんないいことがあるよ!」という動機づけをわかりやすく説明します。
ステップ3:モデリングと話し合い
スタッフが悪い例や良い見本を演じ、子どもたちと一緒に「どうしたらもっと良くなるかな?」とポイント(笑顔で、相手の顔を見て、など)を整理します。
ステップ4:リハーサル(ロールプレイ)
整理したポイントを踏まえて、実際に子どもたちに演技をしてもらいます。
言葉だけでなく、表情や目線などの「非言語スキル」も一緒に練習します。
ステップ5:徹底的なフィードバック(褒める!) ここが一番重要です。
上手くできた点や頑張った点を、少し大げさなくらいに褒めて伝えます。
また、ポラリスでは「褒めルール」を作り、素敵な言動をした子には参加している子ども同士でも親指を立てて「イイね!」と褒め合います。
この「正のフィードバック」で自己肯定感を満たした後に、「ここを直せばもっと良くなるよ」という修正フィードバックを行うことで、子どもたちは素直に次のステップへ進むことができます。
「生活訓練(LST)」と「社会性(SST)」は自立の両輪
以前の記事でご紹介した「ライフスキルトレーニング(LST)」と、今回の「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」は、就労に向けた車の両輪です。
身だしなみやお金の管理といったLST(生活の土台)が整っていても、SST(相手に伝える力やルールを守る力)がなければ、職場でチームとして働くことはできません。
逆に、コミュニケーション能力(SST)だけが高くても、遅刻や身だしなみ(LST)が乱れていれば、社会で信頼を得ることは難しくなります。
ポラリス教室では、この「LST」と「SST(JSTを含む)」の両方からアプローチすることで、お子さんが将来「自分らしく、社会と繋がりながら働き生きていく力」を全力でサポートしています。
コミュニケーションや対人関係でお悩みの際は、ぜひ放課後等デイサービスポラリス教室へご相談ください。
お子さんの笑顔と「できた!」を一緒に増やしていきましょう。
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