就労訓練は早く始めるほど選択肢が広がります！

Polaris（ポラリス）は、子どもたちの「今」と「これから」に寄り添う場でありたいと考えてきました。その転機となったのが、Eさんのケースです。
日常生活の支援にとどまらず、将来の自立や社会参加を見据えたサポートの必要性を実感し、私たちは就労準備型へと一歩を踏み出しました。

今回はPolaris（ポラリス）を卒業したKくん、保護者のEさんにお話をお伺いしました。

保護者Eさん：乳幼児健診で言葉の遅れを指摘され、児童発達支援センターを受診しました。3歳のときに「軽度の知的発達障害」と診断されて。歩行も遅かったのですが、月1回の作業訓練や言語訓練を受けたおかげで、少しずつ歩行や発語が進みました。小学校も中学校も特別支援学級に通うことに。学童保育は利用できなかったため、登下校は小学校6年間と中学2年の途中まで私が付き添っていました。

Eさん：はい。家庭内での関わりを見直す段階にきたな、と。同居する祖父母とも適切な距離をとれる「別の居場所」の確保が必要だと感じて。Polaris（ポラリス）は友人の紹介がきっかけです。中学3年生の秋頃でしょうか…。見学や体験教室を経て、本人も嫌がることなく自然と馴染めたので、ここなら安心できると感じました。スタッフのみなさんの雰囲気がよかった点も決め手でした。

Eさん：支援学校の高等部に進学すると、すぐに卒業後の就職について自主的に考えなければならず…。見学・実習先の選定から連絡まで自助努力が必要になって。就労継続支援A型・B型・一般就労などの区別も当初は理解が追いつかず、手探りでした。当時は情報が少なくて「何をどこから始めればいいのか」右も左も分からず、不安しかなかったですね。

Eさん：家庭での生活リズムに大きな変化はありませんでしたが、Polaris（ポラリス）から戻るとなんだか楽しそうで。特に印象に残っているのは、高校進学後に始まった個別の就労訓練です。別室を用意していただき、1対1で時間管理をしながら集中できる環境を整えてくださいました。

Eさん：私のつたない説明にもスタッフのみなさんが丁寧に耳を傾け、メモを取りながら細かい部分まで理解しようとしてくださったんです。すぐに訓練環境を整えてくださり、継続的にマンツーマンで支援していただいたことには、本当に感謝しています。

Eさん：新しく入ってきたお子さんやスタッフさんに、Kから自主的にあいさつや声かけをするようになりました。以前は自分から人に積極的に関わることが少なかったので、自然に社交性が芽生えてきたのは大きな変化でした。作業面でも、集中が続きやすい条件を見つけられて、自信につながったと思います。

Eさん：企業体験で「できない」と判断された課題があると、教材を自分で集めてPolaris（ポラリス）に持ち込みました。するとスタッフのみなさんがすぐに訓練を組んでくださって。他の事業所で体験する作業も事前に練習できたので、少しずつ段階を踏んで自信を積み重ねられました。

Eさん：実は、最初の事業所では慣れるのに苦労しました。その後、移った事業所は仕事内容の相性がよく、午前と午後で作業を切り替える工夫もできるようになりました。今は集中も安定して、「楽しくて、やりがいがある」とK本人が言ってくれています。

Eさん：はい。実習や就業に必要な作業手順を事前に練習できたこと、集中しやすい環境づくりや課題を分けて取り組む方法を学べたことは、とても役立っています。

Eさん：年齢は違っても同じ境遇の仲間ができたことです。卒業後も街中で偶然会えばあいさつできる関係が続いていて…。息子にとって大切な「第三の居場所」になったと思います。

Eさん：既製のメニューではなく、息子にあわせた個別の就労訓練を即座に立ち上げていただけたことです。別室や時間計測など集中しやすい環境を柔軟に整えてくださり、保護者の要望を受け止めてくださった点が、Polaris（ポラリス）だからこそだと思います。

Eさん：就労訓練は早く始めるほど選択肢が広がります。まずは試してみて、合わなければやめてもいいと思います。親と子の希望は違うこともありますから、本人が望む将来に近づける場かどうかを見てあげてください。Polaris（ポラリス）は、本人にも保護者にも寄り添いながら一緒に歩んでくださる場所です。