Polarisの原点

かつて私が自動車ディーラーで働いていた頃出会った、1人のお客さまが、すべてのはじまりでした。
お客さまは、車の購入をご希望でしたが、ご家族から反対されていました。
その理由は、月々の支払いが難しいこと。当時、彼が働いていた就労継続支援B型事業所の工賃は、月に1万円程度だったのです。 「同じ境遇にあるお客さまが無理なく車を購入するために、何が不足しているのだろう」――。 その問いが、福祉の世界へ足を踏み入れる最初の一歩となりました。

そこで見出したのは「働く力」を育てる場所の必要性。
知識や技術だけではない、社会とつながる力と自分を信じる力、人と関わる力。そうした「生きていくための土台」を、子どもたちが若いうちに育めるよう、Polaris（ポラリス）は就労準備型の放課後等デイサービスというかたちを選びました。

立ち上げ当初からうまくいったわけではありません。
経営理念だけではきちんと想いが届かない場面や、福祉の仕組みそのものに壁を感じることも一度や二度ではありませんでした。それでも、支援を重ねる中で、確かにここにいる子どもたちは変化し、育ち、少しずつ自分の足で歩み始めていく。その姿に、私たち自身が励まされながら、ここまで歩んできました。

Polaris（ポラリス）は、子どもたちが将来、社会の中で自分らしく生きていくための「土台」を育てる場です。
目指すのは、ただ学ぶ・ただ過ごす場所ではなく、「働くって、こういうことか」と子ども自身が頭と身体で納得できる体験を積み重ねること。それはスキルの習得だけでなく、自信や自己理解、人との関わり方までを含む、幅広い「生きる力」です。私たちは、認知機能・ライフスキル・ソーシャルスキル・就労スキルの4つの柱を軸に、子どもたち一人ひとりにあわせた支援を丁寧に設計しています。将来、「あのときPolaris（ポラリス）があってよかった」と振り返ってもらえるように、日々の関わりを長期にわたって重ねていきます。

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